2017年3月28日火曜日

憧れの池田センセイ

 創価学会は日本最大の新興宗教であり、池田大作はその事実上の教祖だが、排他的・独
善的と思われがちな創価学会や池田の影響力は、意外にも宗教界においては広範なもので
あるらしい。

 宗教学者・島田裕巳氏の著書『創価学会の実力』によると、創価学会を脱会した元学会
員の中には、他の新興宗教に潜り込み、幹部になりおおせている者や、自ら教祖として新
教団を立ち上げた者までおり、学会の影響力を受けた新興宗教は少なくないという。

 島田氏はそのような宗教団体の例として、千乃正法(別名:パナウェーブ研究所)が用
いる「正法」という宗教用語の起源が、創価学会にあると述べている。


>  千乃正法の場合には、高橋信次を創立者とするGLA(God Light Association)の
> 影響を強く受けており、その宗教世界はほとんどがGLAの真似である。正法という
> ことばも、高橋が強調したものである。高橋には全部で一〇人の兄弟姉妹がいたが、
> その多くは創価学会の会員だった。高橋は、そうした家族の影響で、正法ということ
> ばを使うようになったものと思われるが、それが千乃正法にも受け継がれたわけであ
> る。

 ※ 千乃正法(別名:パナウェーブ研究所)は、平成15年(2003年)「スカラー電磁波
  を防ぐため」と称し、白づくめの格好をして集団でたむろするなどして、世間を騒が
  せた。


 同書には別の例として、次世紀ファーム研究所というカルトも挙げられている。この団
体の代表、堀洋八郎氏は元創価学会員で、宗教団体を立ち上げるにあたり、創価学会で学
んだことを大いに役立てたようである。


>  最近の例では、その施設のなかで中学一年生の少女が死亡したことから注目を集め
> た、堀洋八郎という人物が代表をつとめる次世紀ファーム研究所の例がある。
 (中略)
>  研究所の元信者は、堀には創価学会で活動していた経験があり、池田のようになり
> たいと述べていたと証言している。堀自身も学会員であったことは認めている。
 (中略)
>  ところが、堀が三十五歳のとき、彼の恩師である原島嵩・元創価学会教学部長が池
> 田に反旗を翻し、学会を辞めると、堀自身も学会を辞めた。それでも堀は、自分の現
> 在の活動のルーツは学会にあったとし、「宗教(団体)としての運営方法やカネの集
> め方、信者勧誘などの基礎は学会で学んだ経験が生きており、宗教家としてのルーツ
> は学会にあるといえます。池田センセイのカリスマ性、講演などは本当に勉強になっ
> た。いまは主張が違いますが、池田センセイは一つの目標。憧れです」と語っている
> (『フライデー』二〇〇五年八月十九・二十六日合併号)。


 また、2ch等、ネット上では創価学会とよく比較されるカルト、幸福の科学も、実は創
価学会の影響を受けているらしい。大川隆法が池田大作の守護霊とやらを呼び出したのも、
故あってのことなのかも知れない。


>  私は、一九九一年にテレビのワイドショーで、幸福の科学の幹部と幾度か論争をし
> たことがあるが、当時、幸福の科学のナンバー2と言われた人物は、創価学会の元会
> 員だった。その幹部は、私との論争のなかで、「文証、理証、現証」ということばを
> 頻繁に使った。その時点で、私はまだ創価学会について詳しいことを知らなかったの
> で、即座には理解できなかったが、やがてそれが創価学会で頻繁に使われることばで
> あることを知った。こうした例は決して珍しいことではない。

 ※ 「文証、理証、現証」とは、創価学会員がしばしば口にする言葉である。学会員は、
  特に「現証」という言葉をよく使うが、これは「現世利益または罰があったという確
  証」といった意味である。


 このように、創価学会は他の多くの新興宗教、カルトにとっての「お手本」となってい
るのであり、中でも池田大作は、他のカルトの教祖からも「目標。憧れです」と言われる
ほど、尊敬されているのである。さすが、マハトマ・ガンジー、キング牧師と並び称され
る、偉大な宗教家と敬服せざるを得ない。

 学会の第一庶務にお気に入りの女性を集めたハーレムをつくり、「広宣流布のため」と
の名目で学会員から搾り取った金で、自分専用の豪華別荘をいくつも建てるなど、欲望の
赴くまま、やりたい放題やってきた池田大作は、ある種の人たちにとっては見習うべき模
範なのだ。

 さまざま悪影響を広く及ぼし、社会に害悪をまき散らし続ける創価学会の反社会性は、
想像以上に悪質なもののようである。日本社会には不要の存在と言わざるを得ない。さっ
さと滅んでほしい。


補足 島田裕巳氏について

 著名な宗教学者であり、創価学会についての著作も少なくない。島田氏の学会について
の著書は、ジャーナリストの書いた本と比べると、どぎつい暴露などの刺激に欠ける一面
もあるが、それは学者である氏がセンセーショナリズムに流されることなく、学問的誠意
と慎重さをもって執筆していることの表れでもあるのだろう。

 島田氏の学会についての著作だけでなく、その他の宗教に関する著作からも、私は多く
のことを学ぶことができたと思う。

 島田氏の学会に関する著書の中で、私が特にお勧めしたいのは、『民族化する創価学会』
である。この本には、学会がかつて属していた日蓮正宗の総本山大石寺の大御本尊が贋作
ではないか、という疑惑についてもかなり詳しい解説が述べられており、興味深い内容だ
った。