今回から数回にわたって、創価学会員が日常的に行っている各種の学会活動について論
じる。
学会活動の中でもっとも多いのは、座談会をはじめとする会合である。それらの概要は
以下のようなものである。
・座談会
月に一回開催され、学会員であれば、原則として出席すべきものとされている。かつて
は「ブロック」ごとに開催されていたが、現在は「地区」を単位としている。
※ ブロックとは、創価学会の組織の最小単位、十数世帯で構成される。数ブロックを
束ねた単位が地区である。
会場は地域の学会員の自宅で、比較的広いところを借りることが多い。
座談会の内容は、地域や時期によって微妙な違いがあるが、概ね次のようなもの。
> 座談会の内容は各地域によって違うが、平均的には、まず、夜の勤行から開始され
> る。その後、中心幹部の司会進行で、池田大作が写っている海外活動のビデオ鑑賞な
> ど。また体験発表として会員が立ち上がり、布教、聖教新聞の啓蒙活動の成績を発表
> したり、最近体験した本人や家族の喜びなどを報告。また時節に応じてF票を何票取
> るとか、財務にいくら納金するとか、聖教新聞を何部啓蒙するとかなど抱負を発表す
> る。最後に座談会に参加している幹部による指導で終わる。座談会終了後は、会場の
> 主催者によってはお茶、お茶菓子を出し、その間、聖教新聞代金の集金、民音券の支
> 払い、この後の行事予定などの話し合い。
(創価学会問題研究会 著『創価学会婦人部』)
※ 冒頭の勤行は現在では省略され、題目三唱で済ますことが多いらしい。
・唱題会
地域の学会員が集まって「南無妙法蓮華経」という題目を唱える。
・勤行会
同じく学会員が集まり、法華経の方便品・寿量品の読誦を行う。
・勉強会(御書講義など)
創価学会版『日蓮大聖人御書全集』や『人間革命』『新・人間革命』を参照して、教義
の勉強を行う。実際には、創価学会の月刊誌『大白蓮華』等に掲載されている短めの引用
と、解説を読むだけのことが多いらしい。
・本部幹部会の中継
創価学会の本部幹部会録画を、地域の会館に集まって視聴する。池田大作が健在だった
頃は、池田の講演が目玉だったという。
・協議会等の各種会議
創価学会の活動家になると、活動者会、協議会等の会議にも出席しなければならない。
こうした会議で、聖教新聞の拡販活動や選挙でのF取りなどの目標が話し合われる。
仕事を持っている人も多いため、協議会等は平日の夜間に開かれるのが通例だという。
各種の会合の他に、以下のような活動も日常的に行われている。
・新聞啓蒙
聖教新聞の拡販活動のこと。配達であれば小遣い程度の報酬が出るが、新聞啓蒙は無報
酬である。地域ごとにノルマを課されるが、達成できず自腹で複数取る者も多い。
・家庭訪問
創価学会員であるにもかかわらず、座談会等の学会活動にいっさい顔を出さない者――
未活・非活と呼ばれる――の自宅を訪問し、活動に参加するよう促す。
上記だけでなく、折伏の成果を上げることも求められるし、選挙の時期にはF取りと称
する選挙活動にも取り組まなければならない。
また、担当者に選ばれれば、創価学会の外郭団体・民主音楽協会のコンサートチケット
の販売・集金や、聖教新聞の配達も行う必要がある。
創価学会の活動家は、毎日のように実施される学会活動に無報酬で貢献している。
仕事を持っている人は、こうした活動すべてに参加することは困難であるため、必然的
に主要な担い手は、専業主婦の学会員ということになる。
創価学会の婦人部員のほとんどは池田大作に心酔しており、「先生と呼吸を合わせて」
信心することで功徳(ご利益)が得られ、幸せになれると信じて、家事や育児をおざなり
にしてでも学会活動に打ち込む者までいる(本末転倒のようだが……)。
あまりにも繁忙な一連の学会活動への献身は、その結果として、離婚や子どもが非行に
走るなどの家庭崩壊を招くことも少なくないという。
幸福を願う学会員たちの家庭を犠牲にしてでも、様々な行事に恒常的に駆り立てる本当
の理由は、物事を落ち着いて考える時間を奪うことによって、創価学会への疑問を持たせ
ないようにすることにある。元副会長の福島源次郎氏は、以下のように述べている。
> 現在の学会活動の内容を分析してみますと、折伏化他や信心練磨の仏道修行に直接
> 関わるものがまことに少いことに、改めて驚きます。その大部分は、学会組織の維持・
> 存続(財務も選挙もその一環)と名誉会長の崇拝、「師弟の道」の徹底のための活動
> といってよいようです。これらをすべて広宣流布のためと称してやらせています。
> 名誉会長は私たち首脳にこう教えてきました。
> 「組織は常に何かの刺激を与え続けていくことが大切だ。これをやらなかったら、
> 必ずよどんでくる。これは組織運営のホシだから、私の遺言のつもりでよく憶えてお
> け」
> 「会員を絶対に立ち止まらせてはならぬ。しばらくの休養ならよい。立ち止まれば
> 必ず上を批判してくるから危険だ。忙しく働かせば批判なんか吹き飛ぶ。又怠け癖が
> できる。一度その癖ができたら、元に戻すのに倍以上の力がいる」
> 学会の過密スケジュール、次々と打ち出される行事や会合やイベントは、この名誉
> 会長の考え方に発するのは、いうまでもありません。
> まじめな会員は、「先生に呼吸を合わせよう」を信条に、文句をいわずに、ひたむ
> きに走り続けています。それをやりきることが宿命転換と福運につながることを信じ
> て、懸命にがんばっています。特に婦人部の第一線幹部がもっともひどい状態です。
> こうして主婦の家事・育児・子供の教育の時間が奪われてきました。母子の対話や
> 家族の団らんの時間も少く、どれほど健全な家庭生活が犠牲になってきたことでしょ
> うか。職業人の多くは、僅かの時間の中で過密スケジュールをこなすために、慢性的
> 睡眠不足と過労に苦しんでいます。
> 小中校の問題児童や少年に、必ずといってよいほど学会幹部の子女が含まれていま
> す。教育部の心ある教師達が、教育相談室をボランティアで始めたのも、このことを
> 憂えてのことでした。活動に明け暮れる婦人部幹部の夫が、なかなか信心に励まない
> のも、同じ理由です。
> 全国活動家幹部何十万の家庭の周りには、何百万もの人々が関係しています。彼等
> がこの幹部の生活や家庭の姿を長年みていて、どういう思いを抱くでしょうか。「仏
> 法はすばらしいようだが、あなたの姿を見ていると学会に入るのはゴメンだ」と拒否
> 反応するのは当り前でしょう。こういう人々がじつに多いのです。
> この現象は、もう二十年前から会内のいろいろの人から指摘され、本部も度々この
> 解決を試みたのですが(例えば婦人部の活動を朝は厳禁、昼間か夜のいずれかにして、
> 通しの活動はしない等)、すぐに有名無実になってしまいました。どうしても定着し
> ないのです。これに逆行する指導や新しい指示を名誉会長がするからです。名誉会長
> の話では、首脳も黙って容認する他はないのでした。
> この激忙の活動の無理がたたり、商売をダメにした自営業の人、医者にかかるのが
> 遅れて癒るべき病気も手遅れとなり、寿命を縮めた人が、私の知る範囲でも、この数
> 年何人もおります。私が指導しても、上の幹部の意向や組織全体の雰囲気に逆えず、
> ダメなのです。こうなると犯罪に近いものがあります。
(福島源次郎著『蘇生への選択』)
『蘇生への選択』が出版されたのは、平成2年(1990年)のことである。
元学会員による批判ブログ等を見る限り、30年近くが経過した現在でも、福島氏の警鐘
は妥当のようである。
創価学会は、信仰の指針として「一家和楽の信心」を掲げているが、実態に即するなら
ば、「家庭崩壊の狂信」になっているとしか言いようがない。
創価学会は明らかに普通の宗教ではない。ありもしない「功徳」をエサに、金銭だけで
なく時間や労働力まで収奪し、家庭を破壊するカルトなのである。