2023年11月25日土曜日

追悼 池田大作センセイ

  創価学会の発表によると、去る11月15日、池田大作名誉会長が老衰のため死去したとい

う。享年95歳。


 創価学会では初代から第三代までの会長は「永遠の師匠」とされ、教義上、特別な地位

を与えられているが、中でも池田センセイは別格の存在であった。


 しかしながら、池田センセイが晩年の十数年間、公の場にいっさい姿を見せなかったこ

とから、年若い学会員の中には、ご健在な頃のセンセイの活躍を知らない方も少なくない

ようである。


 そこで本稿では、故人の人柄を物語るもっとも代表的なエピソードをいくつか紹介し、

池田センセイへの手向けとしたい。


 センセイは、第二代戸田会長が立ち上げた高利貸し、大蔵商事で営業部長を務めていた

ことで知られる。この頃、彼が債権回収のために病人の布団をはぎ取ることまでした、と

いう有名な逸話がある。


「直前まで病人が使っていた布団を換金できるのか?」という疑問を持つ向きもあろうが、

当時、大蔵商事に出入りしていた古参学会員による、この伝説的エピソードが事実である

との証言があるので、週刊新潮の記事から引用する。


>  仮に10万円を借りたいという人が来ても担保は取らず、保証人を立てさせる。月々

> 1万円ずつ12回返済させ、返済が滞ると保証人から取り立てる――それが大蔵商事の

> 商法だった。

> 「まだ戦後の復興期で、当時は綿が大変な貴重品だった。ある時、返済が滞った人の

> もとへ取り立てに行った池田さんは、寝ている相手のフトンから綿を抜き、それを売

> り払った。カバーは汚れていたので中綿だけ取り出して売った、と聞きました。モー

> レツ営業マンとはあのことで、戸田先生はそんな池田さんをことのほか可愛がり、自

> 分の右腕のようにしていた」

(『週刊新潮』2002年1月17日号)


 統一教会の信者による高額献金が大きな社会問題になったことに関連して、創価学会に

も同様の問題があることがマスコミでも再び取り上げられるようになっているが、彼らの

創成期からの体質、そして、池田センセイの人となりがこの問題の遠因となっているのは

否定できないだろう。



 さて、池田センセイは艶福家としても大活躍され、たびたび雑誌の紙面を賑わせてこら

れた。その中でも最も有名でありながら、当ブログでは取り上げたことがない事件を、こ

の機会に紹介したい。


 この事件の当事者である信平信子さんは、昭和31年(1956年)に創価学会に入信し、事

件が起こった昭和48年(1973年)当時は函館圏の婦人部長を務めていたことから、この年、

函館を訪問した池田大作の接遇の責任者を務めた。


 問題の出来事は池田来訪の三日目、宿舎として利用されていた創価学会の大沼研修道場

に信平さんが訪れた際に起こった。


>  夜九時に私は、池田の布団を敷きに三階に上がっていったんです。

>  すると、初日も二日目も、布団を敷く時いなかった池田が、執務室に居て、何か物

> を書いていたのです。私は、

> 「失礼します」

>  と言って、執務室と寝室の間の障子を閉めようとしました。すると池田は、

> 「そのままでいいよ」

>  と言う。

>  私は、池田に背を向けて、さっさと布団を敷き、シーツのばそうとしました。

>  その時です。

>  いきなり池田が背後からのしかかってきたのです。

>  そして、肩の方から手を伸ばして、ぐっと私の襟とスリップのひもを一緒に引っ張

> りました。

>  夏ですから、私も薄着で、作業のしやすい恰好をしていましたから、ひとたまりも

> ありません。

>  バラバラとボタンがちぎれ飛びました。

>  ハッ、ハッという息づかいで、池田が、

> 「下着は一枚だね」

>  と言ったのが、耳に残っています。

>  うしろ向きのまま、池田は私の身体をまさぐり、そしてもの凄い力で私を押しつけ

> ました。

>  着ているものははぎ取られ、私は声を上げることもできませんでした。そして、池

> 田はさらに後ろから突いてきました。私は俯せになったまま貧血を起し、気を失って

> しまいました。

>  どれほど時間が経ったでしょうか。気を失った時は、俯せだったのに、気がつくと

> 私は仰向けで天井をむいていました。

 (略)

>  私は、自分のどこに隙があったのか、と布団に入って泣きました。自分が情けなく

> なって朝まで一睡もできず泣いたんです。

>  でも翌朝、池田がいった言葉に私は愕然としてしまいました。

>  私を見つけるなり、池田は、

> 「ゆうべはよく眠れたかい。ちょっと目が赤いね」

>  と、平然と言い放ったんです。

>  私は、その場に立ちすくんでしまいました。

>  この人は一体、何なんでしょう。人間じゃない。そう思いました。

(『週刊新潮』1996年2月22日号)


 信平さんは、この事件の後、昭和58年と平成3年にも池田からレイプされたという。


 彼女がこのような被害にあいながらも、それを告発することもなく創価学会にとどまり

続けたのは、夫を傷つけたくなかったことと「私が告白することによって、御本尊様を外

護する立場にある学会が打撃を受け、結果的に私自身が御本尊様から離れなければならな

いことになるかも知れないという恐怖、不安感があった」からだという。


 私のような外部の人間にとっては理解しがたい心情だが、元学会員が書いた文章を読む

と、「創価学会や池田大作を批判すると仏罰を受ける」と、本気で怯えていた者も珍しく

ないようである。


 裁判沙汰が多いことで知られ、出版社を訴えた事例も少なくない創価学会だが、この件

に関しては、週刊新潮や信平さんに対して訴訟を起こしてはいない。


 週刊新潮の告発記事の後、信平夫妻は池田大作を訴えたが、裁判では時効の成立を理由

として、池田に責任が負わされることはなかった。


 ※ 信平夫妻側は、「創価学会からのマインドコントロールが解けた時点をもって時効

  の起算点とすべき」と主張したが、創価学会が金にモノを言わせてやり手の弁護士を

  集め、巧みな法廷戦術を駆使したこともあって、残念ながら本件の裁判では認められ

  なかった(宗教的マインドコントロールを受けていた期間については、時効は進行し

  ない、とする判決が出された例もある)。


 一連の経緯を見る限り、真相が奈辺にあるかは自ずと明らかであろう。



 池田大作には、上述だけでなく女性関係の醜聞がほかにも数多くあるが、奴の悪事はそ

れらにとどまらない。


 創価学会が日蓮正宗から破門され、脱会者が相次いだ際には「脱会者は自殺に追い込め」

と学会員たちを扇動した。


 「公明党の選挙運動が功徳になる」などというバカげた妄想で学会員を洗脳し、投票所

襲撃事件や集団替え玉投票事件など、民主主義を根底から否定するに等しい悪質な選挙犯

罪に駆り立てた。


 独善的で他人の迷惑を顧みない強引な布教活動を学会員に指導し、現在に至るまで多く

の一般人を苦しめ続けている。


 麻薬王としても知られる軍事独裁者・ノリエガ将軍と親交を結び、麻薬ビジネスにも関

与していたという話もある。


 ヤクザと結託して地上げをやってもいた。

 公明党の政治力を私物化し、自身の脱税のもみ消し工作に利用した。


 搾取的な金集めによって贅沢に耽り、多くの信者たちやその家族を不幸にしてきたこと

は言うまでもない。


 これほどまでに、強欲で、淫恣で、高慢で、狡猾で、厚顔で、下劣で、卑怯で、醜悪な

俗物でありながら、池田大作は創価学会・公明党の力に守られ、何の責任も取ることなく

生涯を終えた。


 創価学会員は、この邪悪なこと極まりない池田大作を師匠と呼び、「師弟不二」の信心

とやらを理想としている、本当に度し難い連中である。


 何度でもいうが、創価学会はカルトである。それも、これ以下は考えられないというく

らいに最低最悪の。


 このような邪教には、一日も早く滅んでほしいと、改めて切に願うものである。


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2020年7月26日日曜日

鳥居をくぐると地獄に堕ちる!? ― 創価学会員が神社を避けるわけ ―

 創価学会員に神社を忌避する習性があることは、よく知られた事実である。これは、日
蓮正宗の「神天上の法門」という教義に由来している。

 現在の創価学会は、公明党が自民党と連立を組んでいるためか、日本の伝統を過度に敵
視することは控えているようだが、かつては非常に過激な主張を行っていた。


>  前に述べた様に聖徳太子以後、民族が清浄を尊ぶことと行いを清らかに保つという
> 儒教の道徳と仏法の三世の思想の三つを結びつけて作った教義で本尊を作って人を迷
> わす邪宗となり下った神道は現在多数派に別れ、神札を発行し、時折祈祷を行って宗
> 教らしく形はととのって居るが、元々何の教義も無いのであるから真に幸福を得られ
> るという道理の立つわけが無く、更に悪いことには神社には正しい神が居ないのみな
> らず、神社が発行する神札には文字が書いてある故に独自の働き、一つの力を持って
> 居るのである。即ち何々の神と書いた文字がこれを祭る人人へ働きかけ、その人の魔
> 性と感応して不幸な現象を起させる事実がこれである。
(中略)
>  前に示した様に神道は正しい仏法の流布をさまたげる故に神社及び神札には悪鬼神
> の働きが躍動して、個人と社会を毒するものであり、撲滅しなければならぬ邪宗教で
> ある。
 (『折伏教典』昭和29年版)

 ※1 旧字体は改めた。
 ※2 『折伏教典』とは、創価学会がかつて教義書および布教のマニュアルとして発行
   していた書籍。昭和26年~40年代にかけて出版され、その間、何度も改訂された。
   古いものの方が、より過激な内容だったようである。


 以前にも述べたが、日蓮は日本古来の神祇もまた、法華経を守護する護法神であると考
えていた(「日蓮と神祇信仰」参照)。

 「神道は撲滅しなければならぬ邪宗教」という主張は、当時の創価学会が勝手に行った
ものであり、本来の日蓮の教えではない。

 日蓮正宗の檀信徒の大部分も、これほどまで過激ではなかったようである(日蓮正宗の
信者の中でも「妙観講」に属する者には元創価学会員が多く、現在もかつての創価学会と
同様の極端な独善性を維持しているので注意されたい)。

 さて、『折伏教典』の排他的な主張を真に受けた学会員たちが、それをどのように実践
したかも見ておくべきだろう。

 創成期からの学会員を家族に持ったことから、彼らの行動を間近で観察する機会を得た
人物の証言を、宗教学者・玉野和志氏が著書に記している。


>  この人は家族が古くからの会員だったので、かつての創価学会のことをよく知って
> いる。むかしの学会員といえば、社会的には後ろ指をさされるような場合が多かった。
> 「会員になると、謗法払いといってみんなでよってたかって仏壇や神棚を撤去してし
> まうので、過激な集団だと見られていたし、会員は病人と貧乏人ばかりで、立派なお
> 屋敷に住んでいる人なんかいませんでしたよ。自分が若いときによく目にした学会員
> はめちゃくちゃで、やれ今日はいくつ神棚を焼いてきたとか、何人折伏できたとか、
> そんなことばかり言って、いわば闘士のようなもので、おとなしく信心しているとい
> う感じではありませんでしたね」
 (玉野和志著『創価学会の研究』)


 およそ普通の日本人とは信じがたい言動である。日本の伝統的な文化・慣習に対して、
何か言い知れない憎悪を抱いていた人々が、初期の創価学会の信者になったのではないか
と思わせられる……。

 昨今の創価学会は、かつてのような過激な主張を前面には出さなくなった。神社に初詣
に行ったり、地域の祭りに参加したりするなど、神社をことさらに避けない学会員もそれ
なりにいるようである。彼らはこれを、「随方毘尼(ずいほうびに)」という教えで正当
化している。


>  日蓮大聖人は「随方毘尼」という教えを示されています。「随方」とは、地域の風
> 習に随うこと、「毘尼」とは、戒律の意味です。
>  随方毘尼は、随方随時毘尼ともいい、仏法の根本の法理に違わない限り、各国・各
> 地域の風俗や習慣、時代の風習を尊重し、随うべきであるとした教えです。
 (創価学会教学部編『教学入門』)

 ※ 『教学入門』の初版は、2015年(平成27年)6月6日。


 先にも述べたが、自公連立を維持するためには、創価学会としても保守的な人々の心情
に配慮する必要がある、ということなのだろう。

 とは言っても、現在でも頑なに神社には近づこうとはせず、表題のように「鳥居をくぐ
ると地獄に堕ちる」と言い張る学会員も多い。

 創価学会員がかつてより丸くなったように見えたとしても、やはりそれは表面的なもの
であり、カルト特有の狂信的な独善性・排他性を内に秘めた者も、今なお少なくないのだ。

 本稿をお読みになった皆さまにも、学会員に対しては警戒するにしくはないことを、ゆ
めゆめお忘れなきようお願いしたい。


お詫び 言論出版妨害事件について

 今年の初め、できるだけ早くに言論出版妨害事件について論じたい旨を述べましたが、
現在に至るまで実現できずにいます。

 その理由は、コロナウィルス禍の影響で資料収集に支障をきたしたこと、個人的な事情
で少なからず忙しかったこと――この点は当分の間続きそう――などです。

 このテーマは、創価学会の反社会的体質を考える上で避けて通れないものですので、き
ちんと論じるべきだと、私は今も考えています。

 ですが、前述の事情もあり、現状、それがいつになるか確約できません。
 あしからず、ご了承いただければ幸いです。

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2020年6月14日日曜日

創価批判コピペ集‐⑱(「創価学会はストーカー集団か?」他)

◇◆◇ 創価学会はストーカー集団か? ◇◆◇

創価学会員は一般人に対して、様々な名目で執拗につきまとう等の迷惑行為をしている。
彼らがこうした行動を取るのは、そうすることでご利益があると信じているからである。

・新聞啓蒙・・・聖教新聞の押し売り。商売上の関係を盾に取り購読を迫ることが多い。

・F取り・・・公明党の選挙運動。投票の見込みがありそうな知り合いに、片っ端から
 連絡を取って依頼する学会員も珍しくない。承諾すると実際に投票するまで、複数の
 学会員が入れ替わり立ち替わり念押しに現れ、投票所まで連れ出されることまである。

・折伏(シャクブク)・・・入信勧誘のこと。別の口実(飲み会、趣味のサークル等)
 で標的を呼び出し、複数の学会員で取り囲んで入信を迫るという、騙し討ちのような
 ことをする場合もある。断ると後日、中傷などの嫌がらせを受けることも少なくない。

※ 学会員の多くはこうした迷惑行為を、感謝されて当然の善行だと本気で信じている。


◇◆◇ 創価学会の聖教新聞 ◇◆◇

聖教新聞とは、創価学会の機関紙である(公称発行部数:550万部)。聖教新聞には名誉
会長の池田大作を称える記事が頻繁に掲載され、学会員に池田への個人崇拝を植え付け
る役割を担っている。創価学会には聖教新聞に関する、奇妙な慣行がいくつか存在する。

・新聞啓蒙・・・聖教新聞の拡販活動。販売店だけでなく、一般の学会員も動員される。
・無冠の友・・・聖教新聞の配達員。何よりも「功徳になる」とされているが、低報酬
 (月1~2万円程度)のため、誰が引き受けるかを学会員の間で押し付け合っている。

・マイ聖教・・・創価学会では聖教新聞は「池田先生からのお手紙」なので、多部数を
 購読すれば功徳になるとされている。そのため、一世帯で何部も取る者も多い。これ
 がマイ聖教である。学会員が一般人に、「タダでいいから聖教を取ってくれ」という
 ことがあるのは、布教を目的としてだが、余った聖教新聞をさばきたいからでもある。

※ 学会員をマインドコントロールする道具にして搾取の手段、それが聖教新聞である。


解説

 創価学会は巨大教団なので、その信者にも多様性が存在する。貧しい者もいれば、裕福
な者もいるし、外部からも有能と認められる者もいれば、そうでない者もいるだろう。

 しかしながら、学会員の中には「自分は必要とされない人間なのではないか?」という
コンプレックスを抱えた者が多く、典型的な一類型といってもいいくらいである。

 創価学会はそのような者に対して、「創価学会は至高の存在である末法の御本仏・日蓮
大聖人の仏法を広める使命を帯びた唯一の正しい宗教であり、学会員は地涌の菩薩である」
と説き、彼らはこれをアイデンティティーの拠り所としてきた。

 だが、「本当は学会員こそが価値のある存在、選ばれた特別な人間なのだ」という主張
には、客観的な立場からも妥当と認められる根拠がまったくない。創価学会は、マガイモ
ノの救いで学会員を誑かし、搾取しているに過ぎない。

 そして、彼らの信仰に根拠がないからこそ、創価学会員たちは他者を否定し貶めたり、
強引な折伏等で屈服させたりすることでしか、自らの「正しさ」を示せないのだ。

 選挙で公明党の候補を当選させることは、比較的軋轢の少ない形で彼らが「勝利」でき
る機会ではあるが、それとて時として選挙違反までやらかす、はた迷惑なF取りに支えら
れている。


 誰しもが多かれ少なかれ、短所や欠点を抱えているものであり、コンプレックスと無縁
の人間などそうそういないだろう。大抵の人は等身大の自分を認め、折り合いをつけなが
ら生きていくしかない。

 現実の自分を直視できない「心の弱い人」が、「本当はあなたこそが特別な存在なので
す」と甘い言葉をささやく、創価学会のようなカルトに引き寄せられるのだろう。

 創価学会には、このような歪な心の持ち主を再生産する図式がある。
 学会員の家庭に育つと、子供の頃から「学会員は地涌の菩薩で、そうでない人より高い
境涯にある特別な存在なのだ」と教えられて育つ。

 残念ながら、創価学会員であろうと大部分は特別な才能などない、普通の人間である。
 しかし、幼少時から「自分は特別な存在」とマインドコントロールされて育ち、分不相
応に自我を肥大させてきた者は、等身大の自分とうまく折り合いをつけられない。

 「特別であるべきなのに平凡でしかない」というコンプレックスに苛まれたり、「地涌
の菩薩である自分を差し置いて、外部の者が学業や仕事で優れた結果を出しているのは不
当だ」といった、理不尽な憤りをたぎらせたりする学会員も少なくないだろう。

 「自分たちは特別」と思い込んでコンプレックスを糊塗し、「特別な存在」であるはず
の自分より優れた外部の人間を折伏で屈服させようとしたり、それが叶わなければ誹謗中
傷したりするわけである。

 創価学会が、かつてより多少は大人しくなったにせよ、現在も迷惑行為を続けている理
由の一つは、この根拠なき選民思想にあると考えられる。

 創価学会への批判を耳にしても「学会が唯一の正しい宗教で、池田先生があまりにも偉
大なので、嫉妬したほかの宗教の人が悪口を言っているだけ」と、目と耳をふさぎ続ける
学会員もいるが、この言い分は抑圧されたコンプレックスの外部への投影でしかない。

 この構図は強固なものであり、変えることは容易ではないことから、創価学会は今後も
反社会的なカルトであり続けるのではないかと懸念される。


追記 「無冠の友」の報酬について

 「無冠の友」と呼ばれる聖教新聞の配達員が、実際にどの程度の報酬を受け取っている
かについては、ネット上にも様々な数字が挙げられており、その額は一定していない。

 おそらく配達件数や実動日数に応じて、報酬が支払われているのであろう(週一回だけ
配達を引き受けている者であれば、月に数千円程度にしかならないのではないか)。

 いずれにせよ、時間給に換算すれば最低賃金にも届かない、搾取的な雇用条件であるこ
とに変わりはない。創価学会員といえども、引き受けたがる者が少ないのは当然だろう。

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2020年5月10日日曜日

ユースビオ社の怪

 既にご存知の方も多いであろうが、新型コロナウィルス対策の一環として、国が全世帯
に向けて配布するマスクのうち、妊婦向けのマスクを納品した「株式会社ユースビオ」が
ネット上で話題になっている。

 他の受注業者は、総合商社の伊藤忠商事や医療用品の製造販売を手掛ける興和など、実
績ある企業であるのに対し、ユースビオは設立されてまだ3年目の全く無名の会社で、医
療用品の取り扱い実績もないことから、受注の経緯を疑問視する声が上がった。

 しかも、同社の所在地をGoogleストリートビューで確認すると、公明党および同党所属
の参議院議員・若松謙維氏のポスターが掲示されていたことから、「癒着があるのでは?」
との批判を浴びることとなった。


 同社の桶山社長が、若松議員に12万円の寄付をしていたことも明らかになった。 
 このことについて樋山社長は、マスコミからの取材に以下のように答えている。


> 「若松さんは議員になる前からの知り合い。僕は創価学会の3代目でもともと学会員
> だから、その関係で知り合いだった。いつからかは覚えていないけど、どこかの会合
> で会って、選挙に出るとき『手伝って』と言われて、行ったこともある。公明党は献
> 金を要求しないが、寄付は個人として出した。癒着といっても、どう癒着するのか。
> 県会議員や国会議員の関わりも言われていますが、彼らが僕が受注したと知ったのは、
> 決まったときですから。事前に彼らにお願いします、と言ったわけじゃない。こうい
> うビジネスは、彼らが入るよりも自分でやったほうが早いですから。公明党を除いて、
> 安倍総理とか、麻生財務相とか、一切付き合いはないですよ」
 (『週刊朝日』オンライン限定記事 2020/04/28)


 桶山社長はビジネスに関して政治家の力を借りたことはない旨を主張しているが、彼の
言い分とは異なる報道もある。

 桶山氏は「株式会社樋山ユースポット」なる会社の代表も務めているが、この会社が消
費税を脱税した嫌疑で平成29年(2017年)12月に告発され、翌年6月、福島地裁から懲役
1年6カ月、執行猶予3年、罰金400万円の判決を受けている(つまり現在も執行猶予中)。


>  事情を知る関係者は「当時、樋山は政治家の名前をうたって、ブローカー気取りだ
> った。ほぼ実態のない会社を複数持ち、そこを利用して脱税していた。手口を見る限
> り、指南役がいたと思われる」と明かす。
 (『東スポWeb』 2020/04/28)


 また、今回、ユースビオがマスクを受注した経緯についても、行政関係者の以下のよう
な発言が報じられている。


>  東日本大震災のときから交流のある福島県庁の幹部に、ユースビオ社について聞い
> たところ、こんな答えが返ってきた。
> 「今回の報道で初めて知った。地元でも無名の会社。通常は実績のまったくない専門
> 外の業者を、県が国に紹介するなどありえない。だが、今回は緊急事態という建前が
> あるので、政治力で決まった可能性はある」
 (『東洋経済オンライン』 2020/04/30)


 マスク受注業者の選定に関して、菅官房長官は「議員の口利きはなかった」と述べてお
り、桶山社長も「偶然が重なった結果」と言っているが、この件については、いささか出
来過ぎた「偶然」があるようにも見える。

 桶山社長の自宅は裁判所に差し押さえられ、4月9日に競売の公告がなされ、5月には入
札の予定になっていた。

 しかし、4月24日に債権者が競売を取り下げたという。
 桶山氏がマスクで得た大金の一部で、債務を返済したのであろう。

 事業に失敗し、自宅まで差し押さえられて競売にかけられていた人物が、降って湧いた
ようなビジネスチャンスで大金を手にしたわけである。

 今回のマスク調達は、随意契約によってなされている。
 国や地方公共団体が、億単位に及ぶような契約をする場合、競争入札を行うことが一般
的だが、コロナウィルス禍への対応という急を要する事業であったために、随意契約にな
ったのであろう。

 国の事業の入札に参加する場合、資格審査があり、直近の財務諸表や納税証明書等の提
出を求められる。

 マスク納品業者が入札で選ばれていた場合、ユースビオ社は資格審査の段階ではねられ
ていた可能性が高い。

 同社の経営は事実上、破綻していたと見られるし、それのみならず、先に述べたように
樋山社長は消費税法違反で有罪となり、現在、執行猶予中の身である。

 脱税で有罪になって執行猶予中の人物が、税金を原資とする国の事業で何億円もの金を
得るなど、納税者の理解を得られるとはとうてい思えない。

 この件に関しては不審な点が多すぎる、そう思うのは私だけではないはずだ。
 是非とも、国会の審議で真実を明らかにしてほしいものである。


参考サイト
スポニチ
週刊朝日オンライン
東洋経済オンライン
レイバーネット


追記

 社民党の福島瑞穂議員が、この件について厚生労働省マスク班に照会して得られた回答
をツイッターで公表している。

https://twitter.com/mizuhofukushima/status/1260548928627372032

 それによると、ユースビオとシマトレーディング合わせて5億円の契約は、昨年度予算
の予備費によるものだったとのことである。

 そして、今年度予算でユースビオは約29億7千万円の契約を、国と結んだという。
 これだけ巨額の契約が不透明な経緯で決まっているのは、どう考えても好ましいことで
はない。

 にもかかわらず、民放各局をはじめとするマスコミが、この件を積極的に追及している
ようには見えない。創価学会に関する報道は、やはり現在もタブーなのだろうか……。

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2020年3月30日月曜日

創価批判コピペ集‐⑰(「創価学会の信心で病気が治る!?」他)

◇◆◇ 創価学会の信心で病気が治る!? ◇◆◇

創価学会は入信すれば病気が治ると宣伝してきた。第二代会長・戸田城聖は、昭和30年
前後の数年間、「この本尊に南無妙法蓮華経と唱えれば祈りとして叶わざるなし。創価
学会に入って信心すれば、手術せずともガンも結核も治る」と説き多くの信者を集めた。

戸田の弟子・池田大作も「護符」と称するマジナイを考案、さらに多くの信者を集めた。
このマジナイはただの紙切れを飲めば病気が治るというもので、何の根拠も効果もない。
戸田や池田のデタラメを信じたために適切な医療を受けられず、寿命を縮めた者は多い。

創価学会は今年2月、新型コロナウィルス禍に際して、当面の間、座談会などの会合を
中止するとの方針を打ち出した。21世紀に入って20年目にして、信心では病魔には対抗
できないと認めたのである。過去に主張してきた世迷言はウソだったと認めたに等しい。

※ 創価学会とは、非科学的なたわ言で多くの人を不幸にしてきたインチキ宗教である。


◇◆◇ 日蓮と法然 ◇◆◇

両者ともに鎌倉時代の僧侶だが、その教えは大きく違う。法然が来世での救済を説いた
のに対し、日蓮は現世利益を説いた。病と信仰の関係についての主張もまったく異なる。

日蓮「此の曼茶羅能く能く信じさせ給ふべし。南無妙法蓮華経は師子吼の如し。いかな
  る病さはりをなすべきや」(『経王殿御返事』)

法然「宿業かぎりありて、うくべからん病は、いかなるもろもろのほとけかみに祈ると
  も、それによるまじき事也。祈るによりて病もやみ、命ものぶる事あらば、たれか
  は一人として病み死ぬる人あらん」(『浄土宗略抄』)

今般のコロナウィルス禍にあたって、創価学会の本部は、唱題会を含む会合を中止した。
日蓮の教えに従い南無妙法蓮華経を唱えても、病魔に勝つことはできないと認めたのだ。

※ 現在の創価学会本部は、病気に関する限り日蓮よりも法然に近い考えを取っている。


解説

 創価学会は今般の新型コロナウィルス禍への対応として、座談会・唱題会等の会合を中
止する措置をとっている。

 韓国で宗教団体の会合が原因となって、感染拡大が起こった事例があることから、創価
学会の決定が時宜にかなった適切なものであることは、私も否定しない。

 しかし、彼らが「信心で病気が治る」と主張して、適切な医療を受ける機会を学会員た
ちから奪い、その結果、死なずに済んだはずの人びとの寿命を縮めてきた過去がある以上、
創価学会を手放しで称賛するわけにはいかない。

 ※ こうした悪弊の犠牲になった者の中には、池田大作の次男も含まれていることは以
  前に述べた(「池田城久の死」参照)。

 創価学会の第二代会長・戸田城聖は、医学的根拠など何もない無責任きわまる指導を行
っていた。その一例を以下に示す。

(『聖教新聞』昭和29年〔1954年〕11月28日付掲載の質問会の一部)

 ※ 「護秘符」とは日蓮正宗に伝わるマジナイで、大石寺法主の祈念が込められた食紅
  を飲むものである。池田大作はこれに着想を得て、後に「護符」というマジナイを独
  自に作り出した。

 言うまでもないことだが、ガン治療においては再発や転移をいかに防ぐかが重視される。
 「再発する度に軽くなり完全に治る」などという論外のデタラメを、宗教団体の指導者
として行った戸田も、それをそのまま掲載した聖教新聞も、常軌を逸していると言わざる
を得ない。

 また、この当時の聖教新聞には、「信心で病気が治った」という特集記事が頻繁に掲載
されていた。

(『聖教新聞』昭和29年〔1954年〕12月5日付)

 こうした記事にどれ程の真実が含まれているかは不明だが、戸田センセイの与太話を大
真面目に取り上げていたことから考えると、「手術せずに胃ガンが治った」等の体験談は
相当に胡散臭い。

 戸田の弟子である池田大作もこうした非科学的な体質を受け継ぎ、「護符」と称する紙
切れを飲むマジナイを考案し、学会員たちはそれを有難がって飲んでいた(護符について
は、これまでに何度か取り上げているので今回は詳述しない)。

 創価学会は「科学的な宗教」を自称し、「他の宗教は非科学的だ」と主張しているが、
彼らにそんなことを言う資格など、あろうはずがないのだ。


補足 「日蓮と法然」について

 誤解のないように申し添えるが、私の目的は創価学会の悪質な実態を一人でも多くの方
に知ってもらうことであり、特定の宗教を布教したり、宣揚したりすることではない。

 しかし、創価学会が日蓮仏法を標榜し、その日蓮が法然への批判を原点としていた史実
がある以上、両者の思想を比較することには意義がある。

 学会員の皆さんも、この際に合理主義と信仰との適切な関係を、考えてみられてはいか
がだろうか。

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2020年3月1日日曜日

職員による内部告発

 既にご存知の方も多いでしょうが、創価学会の職員による内部告発が、YOUTUBEに投稿
されています。興味深い内容でしたので、リンクを貼っておきます。


 ※ 現在、この動画は非公開になっている。

 この告発が事実か否かについては、私は断定できる立場にありませんので、視聴した方
それぞれに判断していただくしかありません。本稿では、一応、事実であると仮定の上で
論じます。

 告発者は説明があまり得意ではないようです。また、チャンネル開設者のシバター氏も、
創価学会についての知識が乏しいため、適切な質問ができていません。

 そこで、告発の背景にある事情について、私なりに推測したことを含めて、簡単にです
が解説を加えたいと思います。


解説

主な登場人物

Sさん
 動画に出演している告発者。某支部の職員とのことなので、地域の拠点である会館に勤
務しているものと考えられる。

上司
 Sさんの上司。Sさんいわく「神様のような人」。不祥事を起こした張本人。


告発1
 Sさんは上司から命令により、一月あたり35~40人というノルマを課され、折伏を強要
されていた。明らかに実現できない目標であり、立場を悪用したパワハラである。

告発2
 職員がお布施を横領している。お布施の金額は各会員の自由であることから、経理担当
者が不正をはたらいても発覚しにくい。Sさんの上司は、実際に横領していた。

 ※ 創価学会には教団に対する寄付として、「財務」と「広布基金」の2つがある。

 財務・・・年一回、年末に実施。金融機関での振込。金額は一万円以上が原則。
 広布基金・・・地域の会館で年に数回、行事の際に現金で徴収。金額の指定はない。

 財務は振込なので、末端の職員は手を出せない。一方で広布基金は、創価学会の会館で
現金を集めるものなので、Sさんの上司のような立場にある者ならば、不正を働くことも
できるのだろう。
 
 女優で元学会員の杉田かおる氏も、個人で不審な金集めをしたり、「会のお金を騙し取
ったり」する学会員がいたことを、著書で暴露している(「創価学会の金集め③」参照)。

 創価学会の体質から言って、現在でも同じようなことが起こっても不自然ではないと考
えられる。


追記

 シバター氏が別の動画で、告発動画を非公開にした理由を明らかにしている。

裁判沙汰になり、動画を非公開にしました

 これによると職員による横領を暴露した男性――つまりSさん――が、動画を公開して
からひどい嫌がらせを受けるようになったため、シバター氏に動画を非公開にしてほしい
と依頼したとのこと。

 動画のタイトルに「訴訟沙汰」とあるのは、Sさんが嫌がらせを行った相手に対して民
事訴訟を準備中であることを指しているようである。Sさんやシバター氏が、創価学会側
から名誉毀損で訴えられたわけではないようだ。

 不都合な告発に対して正々堂々と反論するのではなく、卑劣な嫌がらせで沈黙を強いる。
これが創価学会のやり方なのだ。まさにカルトの所業である。

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2020年2月16日日曜日

書評『創価学会よ、大改革を断行せよ!』

 本書を執筆したのは「創価学会の明日を考える有志の会」を自称する、耳慣れない団体
である。本書の書きぶりでは複数の学会員が所属しているようであるが、実際のところは
不明(本稿では複数の著者がいる前提で論じる)。

 著者らは池田大作を不世出の偉人として尊敬し、創価学会は世界平和を実現して人類を
救う偉大な使命を帯びた宗教団体だと信じる、末端ではあるが熱心な学会員らしい。

 その著者らが本書を世に問うことにしたのは、創価学会の組織が疲弊している現状を憂
い、改革の必要性を痛感しているものの、本部にそれを訴えるツテがないことから、一念
発起したからだという。

 本書によると、現在の創価学会では以下のような問題が顕在化しているらしい。

1 末端組織である「地区」の運営マニュアルが存在しないことから、責任者である地区
 部長・婦人部長の資質によって、組織がうまく機能するか否かが大きく左右される。
  リーダーシップに欠ける地区部長のために、機能不全に陥っている例もある。

2 学会員の個人情報の把握が不十分であるために、それぞれの個性や悩みに合わせた指
 導を実施できていない。

3 勤行・唱題を行っていない学会員が多い。著者らの調査によると、ある地区では勤行・
 唱題を行っていない者が70%余りもいた。こうした学会員は座談会にも出席しないこと
 が多いものの、選挙の際、公明党に投票する割合はある程度に達していることから、こ
 れまで問題が表面化していなかっただけなのだという。

4 親から子への信仰の継承が必ずしも上手くいっていない。子供の頃は勤行・唱題して
 いた者でも、自立するとやらなくなることが多い。

5 折伏で成果を上げるた者は脚光を浴びるが、その後の教育は重視されていないため、
 せっかくの新規入会者が人材として育ちにくい。

 その他にも、創価学会内部での人間関係のトラブルが非常に多いとの指摘もあった(私
個人としては、この点に非常に興味をひかれるのだが、残念ながら本書では詳述されてい
ない)。

 上記の問題に対して本書で提示されている処方箋の一つは、折伏を強力に推し進めるこ
とである。

 著者らは〈幹部たちが広宣流布の使命を忘れてしまったために、組織全体が無気力にな
ってしまった。もう一度、戦後間もない頃の折伏精神を取り戻すべきだ〉(大意)と、訴
える。


>  無駄な会合をしないで、折伏を推進したり、折伏法を学ぶ勉強会を数多く開催して、
> 朝起きても「折伏」、夜寝る時も「折伏」と、明けても暮れても「折伏」一辺倒の流
> れを作ります。折伏は青年部を中心に推進し、若者をターゲットにして、三〇〇万人
> ~四〇〇万人の折伏の目標を立て、積極的に推進していきます。


 この目標を実現するために、本部に折伏のサポートを専門に行う部署を立ち上げ、ノウ
ハウの開発や学会員への教育を行うべきだとも提言している。

 昭和20~30年代の折伏大行進を、もう一度やるべきだと言わんばかりである。熱意は伝
わってくるが、学会員から何回も折伏を受け、さんざん迷惑をかけられた経験がある私と
しては、このようなカルト信者の悪しき目論見は、断固として粉砕すべきだと考える。

 著者らのもう一つの提案は、「外部のコンサルティング会社に依頼すること」である。


>  現在の実態からは、間違いなく、創価学会には最新の経営理論と組織論を学び、経
> 験した人材は皆無に等しいことが見てとれます。
>  創価学会の経営層は、時代遅れのままで大きな組織を運営していることに気づかな
> ければなりません。創価学会の経営層は最新の経営理論をマスターしておかなければ
> ならないのです。(中略)一刻も早く最新の経営理論に精通した人材を多数採用し、
> 然るべき専門のコンサルティング会社などに依頼して、広宣流布と世界平和への戦略
> を作り、最新の経営戦略を導入することをお勧めします。


 創価学会がかつて、外資系コンサルのアクセンチュアに依頼して機構改革を行ったこと
は著者らも承知しているものの、彼らの考えではその時の改革は不十分であり、外部から
の助言を得て、より徹底した改革を実施すべきなのだという。

 具体的には、多国籍企業が行っているようなマーケティングや顧客管理、ガバナンスの
ノウハウを、包括的に創価学会に導入すべきだと主張している。

 巨大組織を効率的に運営するために、大企業を参照して先端の経営ノウハウを取り入れ
るという案は、一理あるようではあるが、違和感を感じないでもない。

 著者らは「信者を増やすことは、顧客を増やして売上を伸ばすことと同じ」とまで言い
切っている。確かに創価学会の本部職員にとってはそうなのかもしれない。

 だが、本書の著者らは末端の信者であり、信濃町の本部職員と違って、創価学会から給
料をもらっているわけではない。

 信仰上の問題の解決策を営利企業の経営ノウハウに短絡的に求める著者らの姿勢には、
信心による功徳(ご利益)を、企業が営業活動で収益を得ることと同じように見なす、創
価学会員に特有の思考様式が影を落としているものと考えられる。

 さて、斯界では世界最大手のアクセンチュアでは不足だというのなら、著者らはどのコ
ンサルティングファームを見込んでいるのであろうか。

 「改革への具体的な提案」と題された本書の最終章で、著者らは学会本部の幹部に向け
て以下のように訴える。


>  まずは日本最大の広告代理店の「電通」に相談してみてください。そして私たちの
> 書いた本を提示して、この本の主張が正しいか否かを調べてもらってください。そし
> て私たちの指摘事項について、具体的にどのように進めたら良いか提案してもらって
> みてください。


 電通といえば、数年前、長時間残業に追いつめられた女性社員が過労自殺し、大きな社
会問題になったことは記憶に新しい。

 その後、改革はなされたであろうが、それでも著者らがいうような「最新の経営理論」
を実践しているエクセレントカンパニーと世間から見做されているとは言い難く、旧態依
然とした体質を残した企業というイメージは拭い難い。

 学会員たちを寝ても覚めても折伏一辺倒の人間に仕立てて、折伏大行進のような暴挙を
再びやらかそうと考える著者らのことだから、「鬼十則」でも学会員たちに仕込むつもり
なのかもしれないが……。

 創価学会は宗教法人であって株式会社ではない。だからこそ、学会本部は財務の使途等
の経営情報の公開を、頑なに拒み続けることができるのだ。

 上場企業が株主に対して負っているような説明責任を回避している創価学会に、著者ら
が主張するような経営ノウハウを導入したところで、その効果を検証することはできない。

 本気で学会本部に改革を促したいのであれば、まず財務の使途を公表することを迫るべ
きではないかと、私には思われる。

 本書は創価学会員を対象として執筆されているものの、創価学会の衰退と信仰の形骸化
の実態について、内部の観察者の視点で語られているという点で、私のような外部の批判
者にとっても興味深い内容であった(提案されている改革案は、首をかしげたくなるもの
ばかりだったが)。

 創価学会になど興味のない大部分の方にとっては無用の本であろうが、カルト信者の奇
妙な思考形態に関心がある方ならば、手に取ってみるのもアリかもしれない。

 ※ 『創価学会よ、大改革を断行せよ!』は、2020年2月4日付で発行された。


追記

 ヤフオクに『支部活動のために―組織実務の手引き―』なる、創価学会の組織運営用マ
ニュアルが出品されていたようである(おそらくは本物)。

 創価学会で「支部」とは、「地区」より一段階上の組織単位である。支部長以上の役職
に就くためには、こうしたマニュアルを理解し、下の者に適切な指示を出せる能力が求め
られるのだろう。


 「『地区』の運営マニュアルがない」と本書の著者らは主張しているが、マニュアルに
準拠した組織運営ができない者でも、地区部長にまでならなれるということだと思われる。

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