2017年4月14日金曜日

創価用語の基礎知識②

にちれんしょうしゅう【日蓮正宗】
 日蓮系の伝統宗派の一つ、日蓮宗とは別の独立した宗派。総本山は大石寺(静岡県富士
宮市)。日蓮本仏論を掲げ、宗祖・日蓮を極度に神聖視している。日蓮を「本仏」という
究極の存在にまで祭り上げているため、日蓮の主張は、一切の妥協を排して実現すべきも
のと考えられている。そのため、この宗派は極端に独善的・排他的である。この排他性が、
創価学会や顕正会のような、有害なカルト教団を生み出した背景となった。
 しかしながら、日蓮が自らを「本仏」として崇拝せよと述べた真筆遺文など、一つも存
在しない(明らかな偽書とみなされている古文書の中にはある)。
 また、大石寺の大御本尊を、日蓮が「出世の本懐」として作った特別なものだと主張し
てもいるが、これも、日蓮が弟子の一人、日禅に与えた本尊をもとに後世模刻されたもの
だと考えられている。

 参考ウェブサイト:佛教再考(犀角独歩氏が運営されているサイト)


にっけんしゅう【日顕宗】
 創価学会が日蓮正宗を呼ぶ蔑称。学会を破門した大石寺法主・阿部日顕氏にちなむ。創
価学会では、日顕氏を「仏敵」に認定し、各地の会館で「日顕」と記した紙を床に置いて
学会員に踏み絵をさせたり、「仏敵撲滅唱題」と称して呪詛したりしていた。


ほんぶつ【本仏】
 一言でいうならば〝あらゆる神仏の本体である究極の仏〟といったところ。天台宗や日
蓮宗では、法華経の如来寿量品が説く、久遠実成(くおんじつじょう)の釈迦牟尼如来を
本仏とする。
 日蓮正宗・創価学会・顕正会では、日蓮を本仏だとするが、日蓮自身は「ひとり三徳を
かねて恩ふかき仏は釈迦一仏にかぎりたてまつる」(南条兵衛七郎殿御書)と述べている。
 創価学会には非公式の教義として、現在では池田大作が、この本仏であるとする〝池田
本仏論〟というものもある。
 世間一般の大部分の人にとって、池田大作は頭がおかしい俗物に過ぎないが、『聖教新
聞』などの学会の出版物によって、マインドコントロールされた学会員にとっては、至高
にして至聖、神聖にして犯すべからざる存在なのである。

 ※ 三徳とは「主であり、師であり、親である」こと。法華経の譬喩品に由来する考え
  方で、日蓮はこの三徳を本仏の特性として重視した。


ふくうん【福運】
 いわゆるご利益のこと。創価学会では「ご利益」という言葉はあまり使われず、「福運」
がよく用いられる。用法は「福運がつく」など。


ほうぼう【謗法】
 「謗法」と書いて「ほうぼう」と読む。誹謗正法の略語。日蓮は、法華経が最も優れた
経典だと考えていたので、法華経を軽んじ、他の経典の教えを重視することは「謗法」に
あたると主張した。
 創価学会は、自らのみが唯一の正統な仏法であると主張し、創価学会以外の宗教を、法
華経を信奉する他の教団を含めて、すべて謗法としている。


ほうぼうばらい【謗法払い】
 謗法にあたる他の宗教の信仰の対象を破却すること。元は日蓮正宗の教義。創価学会は
昭和20年代から30年代に、折伏大行進と称して、強引な布教活動を進め、この謗法払いも
大きな問題となった。具体的には、他人の住居に押し入って、神棚や仏壇を壊したり、焼
き払ったりするという狼藉を働いた。
 創価学会が、危険な集団であるというイメージは、当時の彼らの振る舞いに起因すると
ころが大きい。

 参考:当時のニュース映像 https://www.youtube.com/watch?v=ZMf6IB9XKQI


えふとり【F取り】
 公明党の選挙運動。"F"とはフレンドの略。創価学会員以外で、公明党に投票してくれ
る協力者を獲得することをいう。
 多くの学会員が選挙運動を懸命に行うのは、公明党の政策が優れていると思うからとか、
他よりはマシそうだからといった、一般的な理由からではない。
 彼らがF取りに励むのは、公明党の候補者は「池田先生が選んだ人」だからであり、そ
の人を当選させることは、「功徳」になり現世利益が得られる(彼らの言い方だと「福運
がつく」からである。
 選挙を、呪術的なご利益信仰と結びつけるこうしたあり方は、異様としか言いようがな
い。かつて、政治評論家の藤原弘達氏が、著書『創価学会を斬る』で、学会の選挙運動を
民主主義の「ドブさらい」と酷評したが、妥当な評価だと言えよう。


ざいむ【財務】
 毎年、年末に実施される金集め。一口一万円からで上限はない。詳細は当ブログでこれ
までに述べたので、ここでは詳述しない。


こうふききん【広布基金】
 学会の会館で実施されるイベントに際しての金集め。金額の規定はないが、数千円程度
が一般的。
 正月の新年勤行会(1月2日は池田大作の誕生日でもある)、5月3日の会長就任記念日、
11月18日の創立記念日などに徴収される。


まいせいきょう【マイ聖教】
 創価学会の機関紙『聖教新聞』を、一家庭で何部も取ること。対外的には〝家族ひとり
ひとりがスクラップをノートに貼って勉強するのに必要〟などと言い訳しているが、大半
の学会員は、地域の幹部から「『聖教新聞』は池田先生からのお手紙だから、たくさんと
ると功徳がある。福運がつく」などと吹き込まれて、そうしている。
 こうした手口は、学会の他の出版物についても、同様に行われている。例えば、『人間
革命』のハードカバー版を持っているにもかかわらず、文庫版も購入する学会員は多いが、
彼らがそうする理由も、やはり「功徳になるから」である。実質的には、霊感商法と大差
ないやり方である。


みんしゅう【民衆】
 広く一般の人々をさす言葉であるが、創価学会においては特別な意味がある。実は、学
会が「民衆」という場合、創価学会員のことだけを言うことが多い。そのような文脈では、
学会員でない者は「非民衆」と呼ばれる。
 創価学会は、「平和」とか「人権」といった、広く社会全体に恩恵をもたらす理念で自
らを飾ろうとするが、彼らがこうした綺麗な言葉を使う際も、多くの場合、「民衆」と同
様の含意がある。
 「民衆」という言葉の、こうした特殊な用法は、彼らが本質的に利己的な集団であるこ
との証左である。



※ 池田本仏論や、折伏大行進の際の過激な謗法払いなどについては、いずれ稿を改めて
 詳述したいと考えている。