の側近だった原島嵩氏が造反し、創価学会の実態について週刊誌等での告発を開始した。
それらの暴露の中に、聖教新聞の紙面には、池田大作による「作り記事」が頻繁に掲載
され、時には1面から7面までが池田が指示したとおりの記事で埋められることもあった
というものがあった。それに加えて原島氏は、こうも述べている。
> 「作り記事」はそれだけではありません。『寸鉄』などを使って池田氏が言いたいこ
> とを書くのはまだいい方です。問題は「声」の欄です。本当は、読者(会員)の声の
> すべてがそのまま反映されるべきページですが、ここには多くの作り記事があるので
> す。
(中略)
> 池田氏自身が“読者の投書”を作ったこともありますし、多くの作り投書も、池田氏
> の指示でなされます。池田氏自身の“投書”で、私が最も印象に残っているのは、昭和
> 四十五年の、あの言論出版妨害事件で創価学会が社会の批判を受けていた当時のもの
> です。それは、他宗派(確か真言宗だったと記憶しています)の僧侶と名乗って書か
> れたもので、内容は、
> 「これだけ社会から学会員がいじめられている中で、創価学会が前進していることに
> 敬意を表する」
> という趣旨のものでした。
(『週刊サンケイ』1980年10月30日号)
この記事で原島氏は、池田が聖教新聞に力を注いだ理由として「最大の関心事は自己の
“本仏化”と部数の伸びにあったように思います」とも述べている。
私は原島氏が述べている「池田大作による投稿の自作自演」に興味を引かれ、当時の聖
教新聞を確認してみたところ、該当すると思われる記事を見つけた。
(『聖教新聞』昭和45年〔1970年〕3月2日付)
※ 池田センセイが真言宗の僧侶を名乗られたのは、以前にも述べたように「真言はい
みじかりけり」との、日蓮大聖人の御金言に信服されていたからであろう(「日蓮と
真言宗と池田大作」参照)。
これは推測だが、池田大作は平成22年(2010年)に脳梗塞で倒れるまで、聖教新聞の編
集方針に口を出し続けたのではないかと思われる(独裁者が自らのパブリックイメージを
コントロールしようとするのは当然のことだ)。
前置きが長くなったが、池田センセイを「師匠」として仰ぐ学会員たちが、彼を模範と
して行っていた活動として「言論部」というものがあった。
> この昭和四十四年の言論妨害時には組織内に言論部という部門があり、学会批判者
> などへひどいイヤガラセをする担当者まで準備されていた。全国の各地域から一定の
> 役職以上の婦人部幹部、あるいは筆の立つ一般学会員を抜擢して言論部員に任命して
> おき、何か問題が生じるたびに各地の創価学会会館などへ招集をかけるのだ。なにし
> ろ七百万世帯を数える巨大集団だから、その言論部員は五人や十人ではない。本部か
> ら指示が出るたびに各地の部員たちは葉書を持ち寄り、多い場所では一ヵ所百人、百
> 五十人単位で集まった。
> 現場の一室では言論部担当の学会幹部から部員一人ひとりに具体的なテーマ、宛先
> までがふり分けられる。それぞれがせっせとイヤガラセの手紙や投書を書き、その場
> で書き上げるまで帰宅させない。これを全国数十ヵ所、数百ヵ所の各支部、各会館で
> いっせいにやるわけだから、標的にされた相手はたまらない。文字どおり、イヤガラ
> セの手紙が洪水のように流れこんでくることになる。
> たとえばこの出版妨害事件の際、学会側から相手の弘達氏の自宅に投げ込まれたイ
> ヤガラセの投書類は優にミカン箱十箱分はあったろう。
> この投書作戦のほかに電話作戦も強烈だった。やはり本部が学会員を総動員して、
> 学会批判をやったテレビ局やラジオ局、雑誌編集部をめがけどんどん電話をかけさせ
> た。個人宅にも「家に火をつけるゾ」「夜道に気をつけろ」といった脅迫電話が殺到
> したり、散々なイヤガラセ戦術が展開されたものである。
(藤原行正著『池田大作の素顔』)
※ ここで言及されているのは、評論家の藤原弘達氏が『創価学会を斬る』を出版した
際、創価学会が引き起こした騒動についてである。
藤原弘達氏が平成11年(1999年)に逝去した際にも、「おめでとうございます」という
嫌がらせの電話がひっきりなしにかかってきたという。
近年ではさすがにこれほどひどい話は聞かないが、創価学会の体質は本当に変わったの
だろうか。
私見を述べると、彼らの体質が変わったのではなく、今のご時世にそんなことをすれば、
すぐにインターネットにさらされてしまうから、やらなくなっただけだと思う。
「取り囲み折伏」のような迷惑行為を続けていることからも明らかなように、創価学会
の独善的で他者への思いやりに欠ける在り方は、現在でも昭和40年代と変わらないが、自
分の首を絞めるような愚行は避けるようになったということではないだろうか。
また、どこまで組織的なものかは判断し難いのだが、5ch等ネット上の匿名掲示板では
創価学会への批判者を中傷する書き込みは珍しくない。
「『創価学会員から嫌がらせをされた』と言っているのは、被害妄想に陥った統合失調
症患者」などと決めつける書き込みまである(「集団ストーカー」被害を訴えている人の
中には、実際に精神疾患のため被害妄想に陥っている人も、一定数いると推測されるのが
厄介ではあるが)。
池田センセイの精神を受け継ぎ、匿名掲示板でかつての「言論部」と同様の活動を続け
ている学会員が少なからずいると考えられる。
信濃町の学会本部にも、インターネット対策を専門とする部署があるとの情報もある。
創価学会から除名処分を受けた元本部職員3人組が開設しているブログに、「私たちが
職員に在籍していた時にはすでに、青年職員が10数名ほど配属された“ネットリスク対
策室”のようなプロジェクトがあった」との記述がある。
残念ながら情報が乏しいため、信濃町の「ネットリスク対策室」の活動実態には不明な
点が多い(この名称が正式なものかさえも分からない)。
だが、3人組のブログにある「反学会的なツイッターやブログへの監視、荒らし行為な
どを行っているのではないか」という推測には説得力がある。
ネットリスク対策室は、その他にも「検索エンジン最適化」なども手掛けていると考え
られる。「検索エンジン最適化」とは、Google等で検索した際、上位に表示されるように
ウェブサイトを最適化することで、主としてマーケティングを目的として行われる。
創価学会は、学会員に見られたくないサイト――創価学会に対して批判的なブログ等―
―が、検索結果の上位に表示されないように工作しているのではないかと疑われる。
一例を挙げると、しばらく前までは「創価学会」で検索すると、最も代表的な批判ブロ
グである「対話を求めて」が10位以内に表示されていたが、現在では「創価学会」で検索
しただけでは、このブログを見つけることは困難になっている(「対話を求めて」は、個
人運営にもかかわらず、900万以上という驚異的なアクセス数を達成したブログである)。
繰り返しになるが、創価学会の反社会的体質は現在でもほとんど変わっていない。より
狡猾で目立ちにくい手法を取るようになっただけである。
創価学会に関するマスコミの報道が減ってしまったため、現状についての情報を得るこ
とも難しくなった面もあるが、彼らが過去に何をやってきたかを知ることで、現在の在り
方についても推測することはできる。
「言論部」が行ってきた嫌がらせ行為を、何十年も昔の問題として片づけるのではなく、
過去にそのような反社会行為に手を染め、現在も同様の体質を濃厚に受け継いでいる創価
学会が、今後も何らかのトラブルを起こすリスクは小さくないことを鑑み、警戒し続ける
べきだと私は考える。