2017年11月6日月曜日

衆議院総選挙の結果について

 去る10月22日、衆議院総選挙の投開票が実施された。結果は与党の大勝だったが、公明
党の獲得議席は、前回の35議席から29議席に減少した。まことに喜ばしいことである。

 公明党の議席減の要因としては、衆議院の総議席数が475議席から465議席に減らされた
ことも影響しているだろうが、やはり最大の原因は比例での獲得票数の減少であろう。

 参考までに、過去五回の衆議院総選挙での、比例での公明党の獲得票数を表にまとめて
みた。

過去五回の衆議院総選挙における公明党得票数(比例区)

 平成17年(2005年)9月11日実施の衆議院総選挙では、公明党は比例で900万票近くを
得票している。これは過去最多得票であるが、自民党との選挙協力がうまくいき、創価学
会票に大幅な上乗せができたことが、その一因と考えられる。

 今回の選挙結果における公明党の獲得票数は、前回の選挙と比較して30万票以上減って
いる。選挙権年齢が18歳以上に引き下げられたことで、有権者総数が200万以上増え、投
票率も僅かとはいえ、前回を上回ったにも関わらず、公明党は票を減らしたのである。

 また、過去最多得票であった平成17年(2005年)と比較すれば、200万票以上という大
幅な減少となっている。これは創価学会の組織力の衰えを反映しているのではないだろう
か。

 無論、今回の選挙に限った特殊要因による部分も無視はできないと思う。そこで、公明
党の獲得票数が減少した理由を、私なりに考察してみた。


1、都議会議員選挙で生じた自民党との軋轢
  今年7月の都議選で、公明党は自民党等の協力関係を解消し、小池都知事率いる都民
 ファーストの会を支援した。そのために今回の選挙戦では、自民党との選挙協力がうま
 く機能しなかったと考えられる。

2、公明党議員の不祥事
  選挙の直前に、長沢広明復興副大臣が愛人を議員宿舎に宿泊させていたことが週刊文
 春の取材により発覚し、参議院議員を辞職したことと、公明党の青年部長を務めていた
 樋口尚也前衆院議員についても女性問題が発覚し、今回の選挙での出馬辞退に追い込ま
 れたこと、これらの立て続けに発覚した公明党議員の女性スキャンダルにより、最強の
 集票マシーンと評される創価学会婦人部も、F取りへの意欲が削がれたのかもしれない。

3、立憲民主党に票が流れた
  民進党分裂により新たに結党された立憲民主党は、憲法9条擁護を掲げた。安倍政権
 の現実主義的な安保政策には賛成できないが、さりとて共産党にも投票したくない一部
 の創価学会員にとって、立憲民主党はかっこうの票の受け皿となったのかもしれない。

4、創価学会の弱体化
  創価学会は、社会全体を上回るペースで高齢化が進んでいると言われる。また、現世
 利益を前面に打ち出した布教方法も、高度経済成長期のようには効果を上げられず、新
 規会員の獲得も上手くいっていないようである。こうしたことから、創価学会の組織力
 は、年々、低下しているのではないだろうか。

5、自民支持層・無党派層の離反
  公明党は中道路線を掲げ、ソフトなイメージ作りに努めてきた。それに騙されて投票
 してきた無党派層や、自民党からの選挙協力依頼に応じて投票してきた自民支持者達が、
 インターネットやマスコミでの報道等を通じて、創価学会と公明党が事実上、一体の組
 織であることや、創価学会の反社会的な実態を知り、公明党に投票することをためらう
 ようになったのではないだろうか。


 1~3については、多くの方に同意いただけるものと思うが、4・5については、私の
希望的観測という面も多分にある。
 しかし、願わくば今回の選挙結果が、創価学会瓦解の前兆であってほしいものである。