「集団ストーカー」という言葉から、胡散臭い印象を受ける方も少なくないことと思う。
それには致し方ない面もある。ネット上で見られる「集団ストーカーの被害を受けた」
という主張の中には、心を病んだ者の被害妄想ではないかと疑われるものも少なくない。
しかしながら、創価学会について言えば、彼らが何人もの学会員を動員し、一般人に心
理的圧迫を加える行為を組織的に行っていることは、間違いのない事実である。
例えば前回まで論じてきた「F取り」では、一人の標的に対して、複数の学会員で繰り
返し投票依頼を行う場合がある。
> 例えば、もし支援を依頼したFが「家族や知人にも公明党に投票するよう頼んでみ
> るよ」と言ってくれれば、活動家は目を輝かせて歓喜するに違いない。それは、Fか
> らより確実な投票が期待できるマルFへの“昇格”を意味するからだ。
> また、Fに対し複数の活動家が支援依頼を行えば、「Fが重なれば票が固まる」と
> の理由から投票してくれる可能性が高まると考えられているという。
(『週刊ダイヤモンド』2018年10月13日号)
これは仮定の話だが、あなたが近所に住む学会員A――自宅にも公明党のポスターを掲
げる熱心な活動家――から「今度の選挙で公明党に投票してほしい」と依頼され、承諾し
たとしよう。
その数日後に、職場の同僚Bから「公明党に投票してくれるんだってね。忘れずにね」
と念押しされたとする。
Aが学会員であることは以前より知っていたが、Bまでもが学会員だったことをこの件
で始めて知った場合、居住地と職場という別の場所での知人が、実は創価学会を通じてつ
ながっていたことになり、たいていの人は驚くことだろう。
それだけでなく、公明党への投票依頼に応じたという、自分に関する情報が共有されて
いたということでもあり、薄気味悪くも感じるのではないか。他にどんな話をされている
かと、不安に思う人もいるはずである。
また、創価学会員は標的とした相手に対し、常識では考えられないような執着を見せる
ことがある(経験したことのない人には分からないかもしれないが、連中はとにかくしつ
こい)。
> F作戦に絡んだ言葉に「張りつき」がある。会社から帰宅する友だちをFにするた
> めに、家の前で待つことをいう。
> 「定時に帰る人ばかりではありませんからね。二、三時間車の中で、Fにしたい人が
> 家に戻るのをじっと待つ。F取りがうまくいかないと、幹部は“張りつけ”って言いま
> すよ」
> 選挙期間中の学会員は、張り込みが得意の刑事さんに早変わりするというわけだ。
(別冊宝島『となりの創価学会』所収
村山和雄・原田信一 著「これが学会選挙の舞台裏だ!」)
選挙のためにここまでする者は、創価学会員以外にはそうはいないだろうし、こんなこ
とをされる側にとっては、とんだ迷惑である。
学会員による迷惑行為は、「F取り」だけではない。
実際に公明党に投票するなどし、創価学会に対して理解があると思われた場合、入信の
勧誘、つまり「折伏」の標的にされることもある(F取りに協力しなくても、折伏の標的
にされることもあるので要注意)。
当ブログをご覧の方の中にも、複数の学会員に取り囲まれて折伏され、不愉快な思いを
したことのある人もいらっしゃることと思う。
学会員は口実をつけて標的を呼び出し、何人もで取り囲んで入信を迫ることがある。こ
れを「取り囲み折伏」という。逃げられにくい状況を作るのと、数をたのんで圧伏しよう
という意図があるものと考えられる。
呼び出す際の口実は「是非、話を聞いてほしい人がいる」とか、「芸能人が出演してい
るビデオの鑑賞会がある」と、折伏であることを隠すことが多い。「趣味のサークル」な
どと、ウソをつく場合もある。
取り囲み折伏ではいきなり本題に入る場合もあれば、久本雅美などの学会員の芸能人が
出演しているビデオを鑑賞してから、入信を迫る場合もある。
折伏経験が豊富な学会員が中心になって喋り、創価学会独自の宗教用語を連発して自分
のペースに巻き込み、議論になれば「ああ言えばこう言う」を地でいく屁理屈を弄する。
標的が頑として応じなければ、周りの学会員も一緒になって「創価学会に入らないと地
獄に堕ちる」などと脅したりもする。
入信を拒む人の方が多いだろうが、長時間の折伏に根負けして、入会手続きに同意して
しまう人もいる。
いずれにせよ、標的とされた人のほとんどは、口車に乗せられてその場に来てしまった
ことを後悔することだろう。
創価学会は、このような行為を組織的に行っているのだ。こんな目に遭った人が「創価
学会員につきまとわれて、怖い思いをした。集団ストーカーの被害を受けた」と言い出す
のは当然である。
ことによると、迷惑行為で一般市民を苦しめている当の本人が「私たちはF取りや折伏
などの学会活動で忙しい。一般人にストーカーとかするわけない。『創価学会が集団スト
ーカーをしている』などと言っているのは、被害妄想に取りつかれた統合失調症患者に決
まってる」と、本気で思い込んでいるかもしれない(学会員の身勝手さを考えると、あり
得ないことではない)。
創価学会は日本最大のカルトであり、その信者はいたるところにいる。今まで被害にあ
ったことのない人も、十分に注意していただきたい。
補足1 「集団ストーカー」という言葉について
私はこれまで「集団ストーカー」という表現を用いることを避けてきた。
その理由は、この言葉に手垢がつき過ぎているからである。
本文でも述べたが、ネット上での「集団ストーカー」被害の訴えの中には、統合失調症
などの精神疾患を病んだ者による被害妄想でないかと思われるものが少なくない。
その一方で、「集団ストーカー」という言葉は、一人の標的を大勢でつきまとって苦し
めることを、的確に言い表してもいることから、悩んだ末、今回はこの言葉を用いること
にした。
上述のように、創価学会は組織的な迷惑行為を現在も続けている。
「集団ストーカーは統合失調症患者の被害妄想」という主張の中には、創価学会員によ
る隠蔽工作もあるのではないかと疑われる。この件については、稿を改めて論じたい。
補足2 「取り囲み折伏」の実態
元学会員や活動家をやめ非活になった方のブログの中には、取り囲み折伏の経験を述べ
ているものもある。興味のある方は、以下をご覧いただきたい。
創価学会を卒業します!
創価学会は本当に正しいのか?
2019年8月25日日曜日
2019年8月18日日曜日
F取りの実態3 ― 公明党の票田 ―
これまで見てきたように、創価学会員は時として戸別訪問のような違法行為に手を染め
てでも、公明党の得票を増やすために活動してきた。
だが、学会員から依頼されたからといって、言われるままに公明党の候補者に投票する
一般人が、それほど多くいるとは考えにくい。
学会員でもないのに公明党に投票するのは、どのような人たちなのだろうか。今回はこ
の疑問について考える。
まず、前回に引き続き、信平信子氏の証言を引用する。
> F取りと不在者投票での作戦が渾然一体となった作戦にはこんなものがあります。
> 例えば病院の票というのは馬鹿になりません。
> 大きな病院になると、そこだけで何十、何百という票になるのです。
> 五十ベッド以上の病院に入院している患者には不在者投票がおこなわれます。選管
> の人間がついて来て、ある日、不在者投票をおこなうのです。しかし、これは一斉で
> はなく、それぞれの病院で日程が違います。
> 学会では各病院に学会員の看護婦を送り込んでいますから、その日程が逐一、情報
> として入ってくるんです。
> 幹部はその日程を表にして壁に貼り、その日に向けて対策を立てていく。
> 二、三カ月前から、婦人部は徹底した見舞い作戦を始めます。学会員が入院してい
> る部屋を足場にして、一つ一つの病室を固めていくんです。
> お見舞いの際に果物や菓子をお裾分けして入院患者と親しくなり、選挙前になって
> 初めて投票依頼をするんです。
> 中には教えても、すぐ候補者の名前を忘れる老人だっていますから、そんな人には、
> 手のひらに候補者の名前をマジックで書いたりもします。もちろん、担当の部屋は婦
> 人部で決め、見舞いの品など全て個人の持出しです。自分の功徳のためにやるんです
> からそれは当然なんです。
> だから、婦人部の会合では、病院で知合いの老人が死んだりすると、
> 「ああ、これで一票減ってしまった」
> なんて、不謹慎な話が飛び交ったりもするんです。
(『週刊新潮』1996年3月7日号)
病院に入院している患者の中には、高齢により正常な判断力を失っている者も少なくな
い。創価学会はそのような人を標的とし、「手のひらに候補者の名前をマジックで書いた
り」して、公明党の得票を増やしていたのである。
創価学会婦人部の活動家の中には、一人でF票を百以上も集める猛者もいるというが、
それにはこのようなカラクリがあったのだ。
公明党のもう一つの票田は、創価学会から仕事をもらっている企業の社員だ。
創価学会は、信濃町本部や地方会館に勤務する職員、民主音楽協会やシナノ企画などの
傘下の団体・企業を合算すると、約5000人もの職員を擁する巨大組織である。
また、聖教新聞の売り上げだけでも年間1000億円以上あり、財務等の「お布施」でも巨
額の資金を集める超金満教団でもある。
様々な物品の購入や役務の提供など、創価学会との取引で潤っている民間企業は少なく
ない。創価学会はそのような企業に対して、公明党の票の取りまとめを依頼している。
> 〈特定団体への協力依頼について〉
> こう題された社内メールを受け取った大手旅行代理店「JTB」グループの中堅男
> 性社員が明かす。
> 「任意の協力とはいえ、特定の候補者の応援署名を集めろというのは入社してから初
> めて。しかも、それが創価学会からの要請で公明党を応援するというんだから驚きま
> した」
> 文書は11月27日付で、JTB取締役旅行事業本部長の名前で社員向けに送られた。
> 文書にはこうある。
> 〈国内研修会をはじめとした各種需要を頂戴している創価学会様より、支援政党であ
> る公明党への支援要請がJTBグループにあり、営業政策上の観点から各事業会社に
> おいても可能な範囲での協力を求められております。
> まず東京・神奈川・千葉に住む社員には比例代表向けに〈公明党の政治活動を支援
> します〉と題した用紙への署名集めを、太田昭宏国交相と前職の上田勇氏がそれぞれ
> 出馬した東京12区と神奈川6区の居住者には各候補の支援者名簿を作るための署名集
> めを要請している。
(『週刊ポスト』2014年12月19日号)
上記は平成26年(2014年)12月14日に投開票が実施された、衆議院総選挙を特集した記
事の一部である。
JTB社員が求められたのは「任意の協力」だったとはいえ、取締役営業部長名で送ら
れ、「営業政策上の観点から」求められた要請を退けるのは、心理的な抵抗があったので
はないかと思われる(サラリーマンなら、出世への影響が脳裏をよぎるだろう)。
創価学会によるJTBへの要請を週刊ポストが記事にしたのは、社員がリークしたから
であろうが、同様の要請が他の取引先に対してもなされた可能性は高い。
創価学会が行っている取引の中でも特に金銭的に大きいのは、何と言っても会館等の建
設である。彼らは日本のどこかで、恒常的に新しい施設を建設中である。
そうした背景もあって、会館建設を請け負うゼネコン各社は、公明党の票集めに非常に
協力的だという。F票の大半は建設業界によるものとの報道もある。
> 「選挙で勝つことは、信仰そのもの」――学会員の多くはそう語る。“池田教”とも言
> われる今の学会にとって、選挙こそが最も高揚感を抱くことのできる“宗教行事”だ。
> そうやって獲得されるのが、全国七百万以上の学会票だ。ただ、近年は「F(フレ
> ンド)票」でかさ上げされているのが実態だという。その大半は建設業界から回され
> てくる票だ。全国で会館をつくり続ける学会はゼネコンにとって大の得意先である。
> 「建設関係にお願いすれば、名簿出しから投票の連れ出し(=学会で『Z』と呼ぶ活
> 動)までしてくれましたね」――。選挙活動について元本部職員はそう振り返る。
(『文藝春秋』2015年1月号)
創価学会は、直接、票を金で買っている訳ではないし、要請に応じなければ取引を切る
と脅したといった報道があった訳でもない。だから、こうした行為を犯罪だと断定するこ
とはできない。
しかし、金銭の授受を伴う取引関係を利用して票の取りまとめを依頼するのは、問題の
あるやり方である。グレーゾーンの中でも、黒に近い方と言ってもいいのではないか。
創価学会員による公明党の選挙運動の実態は、「公明選挙」よりも「金権選挙」の方に
ずっと近いと思う。
買収などの経済的な利益に理由づけられた選挙違反は、許されない犯罪ではあるものの、
動機だけならば理解できなくもない。
だが、「選挙で勝つことが信仰」だとか、「公明党に投票する人を増やすと功徳がある」
だとかいう理由で身銭を切ったり、法に触れるリスクを冒して選挙運動を行うというのは、
常軌を逸していると言わざるを得ない。
もちろん、創価学会員の中には、公明党議員の口利きで生活保護を受給するなど、選挙
で公明党候補が当選することから利益を得ている者もいる。
そういう人にとっては、選挙運動には経済的見返りがあることになるが、多くの学会員
は、そのような目に見える利害関係ではなく、信仰(=公明党の選挙運動)が、超自然的
な力で「ご利益」をもたらすと純粋に信じている。
このような常人には理解できない理由で選挙運動に入れ込む学会員たちの愚かさを嘲る
のは簡単だが、その愚昧さを利用して操る本当にごく一部の幹部が、日本の国政を左右で
きる力を持っている現状は笑えない。
原田会長をはじめとする信濃町の宗教官僚たちは、日本国民に対し、一切の説明責任を
負ってはいない。それどころか学会員に対してでさえ、池田大作の現状や財務の使い道な
どを正直に説明したことは、ただの一度もない。
彼らは一体、何を目指しているのだろうか。
誰にも何も説明しない連中が、国政に大きな影響力を持っていることに、私は空恐ろし
さを感じる。本稿をお読みになった皆さんは、どのように思われただろうか……。
てでも、公明党の得票を増やすために活動してきた。
だが、学会員から依頼されたからといって、言われるままに公明党の候補者に投票する
一般人が、それほど多くいるとは考えにくい。
学会員でもないのに公明党に投票するのは、どのような人たちなのだろうか。今回はこ
の疑問について考える。
まず、前回に引き続き、信平信子氏の証言を引用する。
> F取りと不在者投票での作戦が渾然一体となった作戦にはこんなものがあります。
> 例えば病院の票というのは馬鹿になりません。
> 大きな病院になると、そこだけで何十、何百という票になるのです。
> 五十ベッド以上の病院に入院している患者には不在者投票がおこなわれます。選管
> の人間がついて来て、ある日、不在者投票をおこなうのです。しかし、これは一斉で
> はなく、それぞれの病院で日程が違います。
> 学会では各病院に学会員の看護婦を送り込んでいますから、その日程が逐一、情報
> として入ってくるんです。
> 幹部はその日程を表にして壁に貼り、その日に向けて対策を立てていく。
> 二、三カ月前から、婦人部は徹底した見舞い作戦を始めます。学会員が入院してい
> る部屋を足場にして、一つ一つの病室を固めていくんです。
> お見舞いの際に果物や菓子をお裾分けして入院患者と親しくなり、選挙前になって
> 初めて投票依頼をするんです。
> 中には教えても、すぐ候補者の名前を忘れる老人だっていますから、そんな人には、
> 手のひらに候補者の名前をマジックで書いたりもします。もちろん、担当の部屋は婦
> 人部で決め、見舞いの品など全て個人の持出しです。自分の功徳のためにやるんです
> からそれは当然なんです。
> だから、婦人部の会合では、病院で知合いの老人が死んだりすると、
> 「ああ、これで一票減ってしまった」
> なんて、不謹慎な話が飛び交ったりもするんです。
(『週刊新潮』1996年3月7日号)
病院に入院している患者の中には、高齢により正常な判断力を失っている者も少なくな
い。創価学会はそのような人を標的とし、「手のひらに候補者の名前をマジックで書いた
り」して、公明党の得票を増やしていたのである。
創価学会婦人部の活動家の中には、一人でF票を百以上も集める猛者もいるというが、
それにはこのようなカラクリがあったのだ。
公明党のもう一つの票田は、創価学会から仕事をもらっている企業の社員だ。
創価学会は、信濃町本部や地方会館に勤務する職員、民主音楽協会やシナノ企画などの
傘下の団体・企業を合算すると、約5000人もの職員を擁する巨大組織である。
また、聖教新聞の売り上げだけでも年間1000億円以上あり、財務等の「お布施」でも巨
額の資金を集める超金満教団でもある。
様々な物品の購入や役務の提供など、創価学会との取引で潤っている民間企業は少なく
ない。創価学会はそのような企業に対して、公明党の票の取りまとめを依頼している。
> 〈特定団体への協力依頼について〉
> こう題された社内メールを受け取った大手旅行代理店「JTB」グループの中堅男
> 性社員が明かす。
> 「任意の協力とはいえ、特定の候補者の応援署名を集めろというのは入社してから初
> めて。しかも、それが創価学会からの要請で公明党を応援するというんだから驚きま
> した」
> 文書は11月27日付で、JTB取締役旅行事業本部長の名前で社員向けに送られた。
> 文書にはこうある。
> 〈国内研修会をはじめとした各種需要を頂戴している創価学会様より、支援政党であ
> る公明党への支援要請がJTBグループにあり、営業政策上の観点から各事業会社に
> おいても可能な範囲での協力を求められております。
> まず東京・神奈川・千葉に住む社員には比例代表向けに〈公明党の政治活動を支援
> します〉と題した用紙への署名集めを、太田昭宏国交相と前職の上田勇氏がそれぞれ
> 出馬した東京12区と神奈川6区の居住者には各候補の支援者名簿を作るための署名集
> めを要請している。
(『週刊ポスト』2014年12月19日号)
上記は平成26年(2014年)12月14日に投開票が実施された、衆議院総選挙を特集した記
事の一部である。
JTB社員が求められたのは「任意の協力」だったとはいえ、取締役営業部長名で送ら
れ、「営業政策上の観点から」求められた要請を退けるのは、心理的な抵抗があったので
はないかと思われる(サラリーマンなら、出世への影響が脳裏をよぎるだろう)。
創価学会によるJTBへの要請を週刊ポストが記事にしたのは、社員がリークしたから
であろうが、同様の要請が他の取引先に対してもなされた可能性は高い。
創価学会が行っている取引の中でも特に金銭的に大きいのは、何と言っても会館等の建
設である。彼らは日本のどこかで、恒常的に新しい施設を建設中である。
そうした背景もあって、会館建設を請け負うゼネコン各社は、公明党の票集めに非常に
協力的だという。F票の大半は建設業界によるものとの報道もある。
> 「選挙で勝つことは、信仰そのもの」――学会員の多くはそう語る。“池田教”とも言
> われる今の学会にとって、選挙こそが最も高揚感を抱くことのできる“宗教行事”だ。
> そうやって獲得されるのが、全国七百万以上の学会票だ。ただ、近年は「F(フレ
> ンド)票」でかさ上げされているのが実態だという。その大半は建設業界から回され
> てくる票だ。全国で会館をつくり続ける学会はゼネコンにとって大の得意先である。
> 「建設関係にお願いすれば、名簿出しから投票の連れ出し(=学会で『Z』と呼ぶ活
> 動)までしてくれましたね」――。選挙活動について元本部職員はそう振り返る。
(『文藝春秋』2015年1月号)
創価学会は、直接、票を金で買っている訳ではないし、要請に応じなければ取引を切る
と脅したといった報道があった訳でもない。だから、こうした行為を犯罪だと断定するこ
とはできない。
しかし、金銭の授受を伴う取引関係を利用して票の取りまとめを依頼するのは、問題の
あるやり方である。グレーゾーンの中でも、黒に近い方と言ってもいいのではないか。
創価学会員による公明党の選挙運動の実態は、「公明選挙」よりも「金権選挙」の方に
ずっと近いと思う。
買収などの経済的な利益に理由づけられた選挙違反は、許されない犯罪ではあるものの、
動機だけならば理解できなくもない。
だが、「選挙で勝つことが信仰」だとか、「公明党に投票する人を増やすと功徳がある」
だとかいう理由で身銭を切ったり、法に触れるリスクを冒して選挙運動を行うというのは、
常軌を逸していると言わざるを得ない。
もちろん、創価学会員の中には、公明党議員の口利きで生活保護を受給するなど、選挙
で公明党候補が当選することから利益を得ている者もいる。
そういう人にとっては、選挙運動には経済的見返りがあることになるが、多くの学会員
は、そのような目に見える利害関係ではなく、信仰(=公明党の選挙運動)が、超自然的
な力で「ご利益」をもたらすと純粋に信じている。
このような常人には理解できない理由で選挙運動に入れ込む学会員たちの愚かさを嘲る
のは簡単だが、その愚昧さを利用して操る本当にごく一部の幹部が、日本の国政を左右で
きる力を持っている現状は笑えない。
原田会長をはじめとする信濃町の宗教官僚たちは、日本国民に対し、一切の説明責任を
負ってはいない。それどころか学会員に対してでさえ、池田大作の現状や財務の使い道な
どを正直に説明したことは、ただの一度もない。
彼らは一体、何を目指しているのだろうか。
誰にも何も説明しない連中が、国政に大きな影響力を持っていることに、私は空恐ろし
さを感じる。本稿をお読みになった皆さんは、どのように思われただろうか……。
2019年8月11日日曜日
F取りの実態2 ― 戸別訪問 ―
創価学会は建て前としては宗教団体であるが、実態としては政治団体といっても過言で
はない。唱題や勤行などの普通の意味での宗教活動以上に、選挙運動に力を入れている。
前回述べたように、創価学会は選挙運動に宗教的な意味づけを行っており、学会員はご
利益があると信じて、公明党を応援してきた。
また、当ブログで以前取り上げたように、創価学会には法律や道徳を軽視する教義が存
在する(『反社会的な教義』参照)。
こうしたことが背景となり、創価学会は組織を挙げて悪質な選挙違反を行ってきた。
創価学会の選挙の実態について、本部の副婦人部長を務めた経験がある信平信子氏が証
言している(信平氏は、池田大作のレイプを告発したことで知られている)。
> 私は昭和四十六年以降、学会本部の副婦人部長を平成四年まで二十一年間、務めま
> した。そして、北海道の副総合婦人部長を昭和六十年以降、同じく平成四年まで務め
> ました。
> その中で、婦人部が中心となる学会選挙を指導し続けたのです。
> その経験からひと言でいえば、創価学会は「選挙のために」存在するのです。
> 「権力には権力。金力には金力」
> 「数こそ力。王仏冥合の戦いに勝ち抜け」
> これが池田の口癖です。池田はことあるごとに選挙に勝つために幹部たちを叱咤し
> ていました。
> つまり、創価学会は池田が国政を牛耳る野望のために存在する組織なのです。宗教
> の仮面を被った選挙マシーンといった方が正確でしょうか。
(『週刊新潮』1996年3月7日号)
信平氏は「折伏の鬼」と呼ばれるほどの実績を上げ、昭和63年(1988年)には広布功労
賞を受けている。F取りでも大きな成果を上げ、選挙の際、他の地域から招聘されたこと
もあるという。
信平氏はF取りにおいて、公職選挙法違反に該当する行為であるにもかかわらず、それ
を「違反にならない」とする、ウソの指導が行われていたとも証言している。
> しかし、どんなひどいことでも法律に違反しない活動ならまだましです。でも、創
> 価学会は平気で選挙違反をおこなっているんです。
> 例えば、戸別訪問。これを学会では、
> 「一軒ごとに飛ばして訪問すれば、公選法に抵触しない」
> と教え込んでいるんです。
> そのために、学会員はそれを信じて、精力的に戸別訪問を展開している。
> しかも、哀れなことに、選挙違反で捕まったら、各個人で責任を取れ――というこ
> とが徹底されているんです。
(同上)
週刊新潮編集部は、戸別訪問について自治省選挙課へ照会しており、その回答も記事に
付されている。
> 大竹邦実・自治省行政局選挙部選挙課長の話。
> 「公選法一三八条が禁じている戸別訪問の定義は、たとえ一軒でも個別に家を訪問し、
> 投票を勧誘したり、候補者や政党の宣伝をしてはならない、ということです。一軒ず
> つ飛ばしていけば抵触しないなどというのはとんでもありません。もちろん特定の宗
> 教団体がある候補者に投票してもらうよう個別に働きかけることも許されません」
(同上)
創価学会による組織的な選挙違反については、別の証言もある。
自民党の平沢勝栄代議士は、平成8年(1996年)と平成12年(2000年)の2回、公明党の
山口那津男氏と衆議院東京17区の議席を争った(平成8年は、山口氏は新進党から立候補)。
平沢氏は平成12年(2000年)の衆議院総選挙に際しての、創価学会による悪質な選挙違
反の実態を著書に記している。
> 具体的に、彼らから私がどんな妨害を受けたか。
> なにしろ公明党の得意技といえば、名にしおう人海戦術である。二、三人の組にな
> り、まず私に対する謀略・中傷ビラを、パーッと一晩で全戸にまいていく。しかし面
> 白いことに、私の熱烈な支持者のところは避けている。
> この動員力は怖い。人通りのない夜間とはいえ、わずか一、二時間のうちに十万戸
> を超える家庭にまくには、どう考えても、千人以上動員していないとやり遂げられる
> はずがない。
(中略)
> ともかく、私はどれだけ、怪文書の類を流されたか、わからない。
> そのうち、六月十三日の公示日の早朝、中傷ビラをまいていた男たちを、私の陣営
> の運動員が見つけ、警察に突き出したことがある。
> 亀有署に七人、小岩署に三人、連れていった。すると男たちから連絡を受けて、さ
> っそく身元を引き受けにきた人間がいる。公明党の都議と区議だ。
> 公明党と創価学会が中傷文書を流している、なによりの証拠だ。自分たちでやって
> いる汚いことを、堂々と公明党が認めたようなものである。
(平沢勝栄著『明快!「国会議員」白書』)
選挙期間中に頒布できる文書については、公職選挙法で規制されており、それ以外の怪
文書等をポスティングすることは選挙違反である。
こうしたことを行っているのは創価学会・公明党だけに限らないが、千人以上も動員し
て、大々的に違法行為を遂行できる組織は、彼らくらいのものだろう。
平沢氏は同書で、戸別訪問についても言及している。
> 相手の陣営がやったことのなかには、こんなこともあった。漬物を一軒一軒持って
> 回って歩く。漬物を配りながら、平沢はダメだ、ウチの候補をお願いしますといって
> 歩くのである。
> これと同じことを、もし、わが陣営がやったら、これはもう大変な騒ぎになる。す
> ぐに警察に突き出されたにちがいない。
> ところが、私の応援団というか、自民党の応援団は、人がいい。相手が漬物を配っ
> たからといって、すぐに警察に届けるような人はいない。ちなみにポスターでも相手
> の応援団は、私のポスターは一切貼らせてくれない。逆に私の応援団は、相手方から
> 「自公連立ですので」といわれると、すぐに相手のポスターを貼らせてしまう。
(中略)
> このほかにも、地方公務員でありながら相手候補への投票を呼びかけるといった、
> 明らかに地方公務員法違反の情報もいくつかあった。いろいろな違反を目撃した人は
> いるが、警察に通報しようなどという人はいない。まったくもって、自民党の応援団
> は人がいい。
(同上)
引用のような数々の選挙違反まで行ったにもかかわらず、衆議院選挙で平沢氏に2連敗
し、浪人生活を余儀なくされた山口氏だが、その後、参議院に鞍替えし、平成21年(2009
年)からは党首を務めている。
山口代表が創価学会員が行ってきた違法行為について、どの程度認識しているかは分か
らない。
だが、東大卒の弁護士という華麗な経歴を持ち、早くから公明党のプリンスとして期待
されていた山口氏の選挙戦からして、この体たらくだったのである。他の公明党議員につ
いても、その実態は推して知るべしであろう。
すねに傷を持つ公明党代表は、山口氏ひとりだけではない。
山口氏の先々代の神崎武法氏は、検事時代に創価学会による共産党への盗聴事件に関与
していたことが問題視され、職を辞している。
辞書で「公明」という言葉を引くと「ごまかしたり、不正な事をしたりするなどの、人
目をはばかるようなことが少しもない様子」(『新明解国語辞典』)とある。
ご立派な党名を麗々しく掲げてはいるものの、選挙違反といい、政教一体で池田大作の
支配下にあった実態といい、実際には「人目をはばかる」ことばかりだったのが、公明党
の立党以来の在り方ではないのか。
そもそも「公明党」という党名は、「クリーンな選挙」を実現することを標榜して名づ
けられたものだったという。
> ちなみに「公明」の名の由来は、直接的には、池田愛読の『三国志』に出てくる
> 「蜀」の将軍・諸葛孔明の「公明」の音から来ている。また、当時「違反しない、ク
> リーンな選挙を」という意味で、自治省は「公明選挙」と言っていたが、この「公明」
> という言葉も換骨奪胎する形で取り入れた(そのため、自治省は公明党結成後、「公
> 明選挙」という言葉を使えなくなったのである)。
(古川利明著『システムとしての創価学会=公明党』)
先月の参議院選挙でも、自民党は単独過半数の議席を獲得できず、公明党がキャスティ
ングボートを握る形となった。
私としては非常に不愉快であり、社会にとっても好ましくないことだと確信するが、弱
小勢力が大局に影響力を行使するための策として、孔明が立案した「天下三分の計」を地
でいく形には、一応なっている。
しかしながら、創価学会・公明党が実際に行ってきたことを見るならば、彼らは『三国
志』の孔明ではなく、『史記』の「鶏鳴狗盗」の故事の方に範を仰いでいると言うべきで
あろう。
はない。唱題や勤行などの普通の意味での宗教活動以上に、選挙運動に力を入れている。
前回述べたように、創価学会は選挙運動に宗教的な意味づけを行っており、学会員はご
利益があると信じて、公明党を応援してきた。
また、当ブログで以前取り上げたように、創価学会には法律や道徳を軽視する教義が存
在する(『反社会的な教義』参照)。
こうしたことが背景となり、創価学会は組織を挙げて悪質な選挙違反を行ってきた。
創価学会の選挙の実態について、本部の副婦人部長を務めた経験がある信平信子氏が証
言している(信平氏は、池田大作のレイプを告発したことで知られている)。
> 私は昭和四十六年以降、学会本部の副婦人部長を平成四年まで二十一年間、務めま
> した。そして、北海道の副総合婦人部長を昭和六十年以降、同じく平成四年まで務め
> ました。
> その中で、婦人部が中心となる学会選挙を指導し続けたのです。
> その経験からひと言でいえば、創価学会は「選挙のために」存在するのです。
> 「権力には権力。金力には金力」
> 「数こそ力。王仏冥合の戦いに勝ち抜け」
> これが池田の口癖です。池田はことあるごとに選挙に勝つために幹部たちを叱咤し
> ていました。
> つまり、創価学会は池田が国政を牛耳る野望のために存在する組織なのです。宗教
> の仮面を被った選挙マシーンといった方が正確でしょうか。
(『週刊新潮』1996年3月7日号)
信平氏は「折伏の鬼」と呼ばれるほどの実績を上げ、昭和63年(1988年)には広布功労
賞を受けている。F取りでも大きな成果を上げ、選挙の際、他の地域から招聘されたこと
もあるという。
信平氏はF取りにおいて、公職選挙法違反に該当する行為であるにもかかわらず、それ
を「違反にならない」とする、ウソの指導が行われていたとも証言している。
> しかし、どんなひどいことでも法律に違反しない活動ならまだましです。でも、創
> 価学会は平気で選挙違反をおこなっているんです。
> 例えば、戸別訪問。これを学会では、
> 「一軒ごとに飛ばして訪問すれば、公選法に抵触しない」
> と教え込んでいるんです。
> そのために、学会員はそれを信じて、精力的に戸別訪問を展開している。
> しかも、哀れなことに、選挙違反で捕まったら、各個人で責任を取れ――というこ
> とが徹底されているんです。
(同上)
週刊新潮編集部は、戸別訪問について自治省選挙課へ照会しており、その回答も記事に
付されている。
> 大竹邦実・自治省行政局選挙部選挙課長の話。
> 「公選法一三八条が禁じている戸別訪問の定義は、たとえ一軒でも個別に家を訪問し、
> 投票を勧誘したり、候補者や政党の宣伝をしてはならない、ということです。一軒ず
> つ飛ばしていけば抵触しないなどというのはとんでもありません。もちろん特定の宗
> 教団体がある候補者に投票してもらうよう個別に働きかけることも許されません」
(同上)
創価学会による組織的な選挙違反については、別の証言もある。
自民党の平沢勝栄代議士は、平成8年(1996年)と平成12年(2000年)の2回、公明党の
山口那津男氏と衆議院東京17区の議席を争った(平成8年は、山口氏は新進党から立候補)。
平沢氏は平成12年(2000年)の衆議院総選挙に際しての、創価学会による悪質な選挙違
反の実態を著書に記している。
> 具体的に、彼らから私がどんな妨害を受けたか。
> なにしろ公明党の得意技といえば、名にしおう人海戦術である。二、三人の組にな
> り、まず私に対する謀略・中傷ビラを、パーッと一晩で全戸にまいていく。しかし面
> 白いことに、私の熱烈な支持者のところは避けている。
> この動員力は怖い。人通りのない夜間とはいえ、わずか一、二時間のうちに十万戸
> を超える家庭にまくには、どう考えても、千人以上動員していないとやり遂げられる
> はずがない。
(中略)
> ともかく、私はどれだけ、怪文書の類を流されたか、わからない。
> そのうち、六月十三日の公示日の早朝、中傷ビラをまいていた男たちを、私の陣営
> の運動員が見つけ、警察に突き出したことがある。
> 亀有署に七人、小岩署に三人、連れていった。すると男たちから連絡を受けて、さ
> っそく身元を引き受けにきた人間がいる。公明党の都議と区議だ。
> 公明党と創価学会が中傷文書を流している、なによりの証拠だ。自分たちでやって
> いる汚いことを、堂々と公明党が認めたようなものである。
(平沢勝栄著『明快!「国会議員」白書』)
選挙期間中に頒布できる文書については、公職選挙法で規制されており、それ以外の怪
文書等をポスティングすることは選挙違反である。
こうしたことを行っているのは創価学会・公明党だけに限らないが、千人以上も動員し
て、大々的に違法行為を遂行できる組織は、彼らくらいのものだろう。
平沢氏は同書で、戸別訪問についても言及している。
> 相手の陣営がやったことのなかには、こんなこともあった。漬物を一軒一軒持って
> 回って歩く。漬物を配りながら、平沢はダメだ、ウチの候補をお願いしますといって
> 歩くのである。
> これと同じことを、もし、わが陣営がやったら、これはもう大変な騒ぎになる。す
> ぐに警察に突き出されたにちがいない。
> ところが、私の応援団というか、自民党の応援団は、人がいい。相手が漬物を配っ
> たからといって、すぐに警察に届けるような人はいない。ちなみにポスターでも相手
> の応援団は、私のポスターは一切貼らせてくれない。逆に私の応援団は、相手方から
> 「自公連立ですので」といわれると、すぐに相手のポスターを貼らせてしまう。
(中略)
> このほかにも、地方公務員でありながら相手候補への投票を呼びかけるといった、
> 明らかに地方公務員法違反の情報もいくつかあった。いろいろな違反を目撃した人は
> いるが、警察に通報しようなどという人はいない。まったくもって、自民党の応援団
> は人がいい。
(同上)
引用のような数々の選挙違反まで行ったにもかかわらず、衆議院選挙で平沢氏に2連敗
し、浪人生活を余儀なくされた山口氏だが、その後、参議院に鞍替えし、平成21年(2009
年)からは党首を務めている。
山口代表が創価学会員が行ってきた違法行為について、どの程度認識しているかは分か
らない。
だが、東大卒の弁護士という華麗な経歴を持ち、早くから公明党のプリンスとして期待
されていた山口氏の選挙戦からして、この体たらくだったのである。他の公明党議員につ
いても、その実態は推して知るべしであろう。
すねに傷を持つ公明党代表は、山口氏ひとりだけではない。
山口氏の先々代の神崎武法氏は、検事時代に創価学会による共産党への盗聴事件に関与
していたことが問題視され、職を辞している。
辞書で「公明」という言葉を引くと「ごまかしたり、不正な事をしたりするなどの、人
目をはばかるようなことが少しもない様子」(『新明解国語辞典』)とある。
ご立派な党名を麗々しく掲げてはいるものの、選挙違反といい、政教一体で池田大作の
支配下にあった実態といい、実際には「人目をはばかる」ことばかりだったのが、公明党
の立党以来の在り方ではないのか。
そもそも「公明党」という党名は、「クリーンな選挙」を実現することを標榜して名づ
けられたものだったという。
> ちなみに「公明」の名の由来は、直接的には、池田愛読の『三国志』に出てくる
> 「蜀」の将軍・諸葛孔明の「公明」の音から来ている。また、当時「違反しない、ク
> リーンな選挙を」という意味で、自治省は「公明選挙」と言っていたが、この「公明」
> という言葉も換骨奪胎する形で取り入れた(そのため、自治省は公明党結成後、「公
> 明選挙」という言葉を使えなくなったのである)。
(古川利明著『システムとしての創価学会=公明党』)
先月の参議院選挙でも、自民党は単独過半数の議席を獲得できず、公明党がキャスティ
ングボートを握る形となった。
私としては非常に不愉快であり、社会にとっても好ましくないことだと確信するが、弱
小勢力が大局に影響力を行使するための策として、孔明が立案した「天下三分の計」を地
でいく形には、一応なっている。
しかしながら、創価学会・公明党が実際に行ってきたことを見るならば、彼らは『三国
志』の孔明ではなく、『史記』の「鶏鳴狗盗」の故事の方に範を仰いでいると言うべきで
あろう。
2019年8月4日日曜日
F取りの実態1 ― 人脈台帳 ―
選挙の際にどのような理由で投票先を選ぶかは、原則として個人の自由だが、ほとんど
の有権者は、政党が掲げる理念や政策、候補者の人格や識見、実行力などを判断基準とし
て、自らの票を投じるのではないだろうか。
社会の構成員が、合理的な判断に基づいて投票することで、税金の使い道、実現すべき
政策、制定されるべき法律等についての、社会的合意の形成に関与できるということが、
選挙の重要な意義のはずだ。
しかし、多くの創価学会員の投票行動は「公明党は池田先生が設立された党だから、そ
の党の候補者に投票すると功徳がある」という、個人崇拝と結びついた呪術的信仰に基づ
いてなされており、民主主義の理念からあまりにも逸脱していると言わざるを得ない。
宗教と政治を一体化させていることは、創価学会問題の核心でもある。
そこで今回から数回にわたって、学会員が行っている選挙運動、すなわち「F取り」に
ついて論じる。
先に述べたとおり、創価学会は信仰上の重要な意義があるとして、公明党の選挙運動を
行っている。選挙は「法戦」と呼ばれ、公明党の候補者を当選させるために活動すること
で、「功徳(ご利益)」が得られると信じて、婦人部を中心とする学会員の活動家たちは、
猛烈な選挙運動を行う。
創価学会では、投票日の一年ほど前から選挙準備が始まり、公明党の立候補予定者は、
挨拶回りのために座談会に足を運んだり、学会施設で講演したりしなければならない。
元公明党参院議員の福本潤一氏は、1日で数十か所もの座談会を回ったこともあったと
述べている(『創価学会・公明党「金と品位」』による)。
また、各地域の幹部も、地元の学会員を「選挙運動でどの程度使えるか」を基準として、
ランク付けするなどの準備を行う。
> 学会選挙は極めて精緻なシステムとして確立されている。
> まず、選挙がある一年以上前に、県内の各本部で運営会議を開き、強化するポイン
> トやテコ入れ場所の分析を行い、それを幹部が自分の受け持ちの地域に持ち帰る。
> このとき、学会組織におけるタテ軸の最小単位であるブロック(約十世帯)ごとに、
> そのリーダーであるブロック長(男性)とブロック担(女性)が、自分の指導してい
> るブロック内の学会員をA、B、C、マル外の四段階に分けた名簿(ブロック台帳)
> を作る。
> ここで、Aは「F票を取る活動家」、Bは「とにかく自分だけは一票は入れる人」、
> Cは「投票所にも行かない不良信者」、マル外は「学会員ではないが、自分以外にも
> 票を取ってくれるシンパ」である。
> このブロック台帳が選挙が終わるまでの、あらゆる活動の基準になる。これを各レ
> ベルの組織(ブロック、地区、支部)の責任者が絶えずチェックするわけだが、学会
> の選挙活動の根幹は、この「B」や「C」の人たちを、いかに「A」ランクの活動家
> に仕立てあげ、F票を積み上げていくかなのである。そして、この末端の情勢分析、
> 票固めの進展具合といった情報が、アッという間に県へ、さらには「信濃町中央」に
> 吸い上がるシステムになっているわけだ。
(古川利明著『システムとしての創価学会=公明党』)
一般の学会員が本格的に選挙体制にシフトするのは、投票日の3カ月ほど前からである。
選挙に向けた決起集会の意味で活動者会が開かれ、そこで幹部から目標が示され、集票
活動の事前準備として、「人脈台帳」を作るようにとの指示が出される。
人脈台帳や中学・高校の卒業生名簿等に基づき、電話などで投票依頼を行うのが、「F
取り」である。
Fとはフレンドの略であり、投票依頼を行った相手は、返答の如何を問わずF票にカウ
ントされる。そのため、国政選挙では学会本部に報告されるF票の合計が、日本の総人口
を超えることもあるという。
当然のことながら、F票の集計数は実際の公明党の得票とは乖離しており、票読みには
使えないが、活動家たちの士気を高める上では意味があるのだろう。
確実な投票が見込める人を、「マルF」という。実際の票読みには使うのは、当然「マ
ルF」である(創価学会の票読みの正確さには定評がある)。
創価学会は、近年では期日前投票を重視しており、公明党への投票を約束した人を投票
所に連れ出すことも行っている。
> 期日前投票へ非活やFを連れ出す行為は「Z]と呼ばれる。中には「足が悪い高齢
> の有権者を背負って期日前投票まで連れ出したこともある」という豪傑もいた。
> 総務省によると、「投票所に連れていく行為自体が直ちに法に触れるわけではない」
> (選挙課)。だがもちろん、その道中で投票先に介入したりする行為はご法度だ。
(『週刊ダイヤモンド』2018年10月13日号)
創価学会には悪質な選挙違反を行ってきた実態があり、「ご法度」に当たることが本当
にないといえるのか、懸念せざるを得ない。
創価学会員による選挙違反と言えば、戸別訪問が代表的である。こうした問題点につい
ては、次回、取り上げたい。
の有権者は、政党が掲げる理念や政策、候補者の人格や識見、実行力などを判断基準とし
て、自らの票を投じるのではないだろうか。
社会の構成員が、合理的な判断に基づいて投票することで、税金の使い道、実現すべき
政策、制定されるべき法律等についての、社会的合意の形成に関与できるということが、
選挙の重要な意義のはずだ。
しかし、多くの創価学会員の投票行動は「公明党は池田先生が設立された党だから、そ
の党の候補者に投票すると功徳がある」という、個人崇拝と結びついた呪術的信仰に基づ
いてなされており、民主主義の理念からあまりにも逸脱していると言わざるを得ない。
宗教と政治を一体化させていることは、創価学会問題の核心でもある。
そこで今回から数回にわたって、学会員が行っている選挙運動、すなわち「F取り」に
ついて論じる。
先に述べたとおり、創価学会は信仰上の重要な意義があるとして、公明党の選挙運動を
行っている。選挙は「法戦」と呼ばれ、公明党の候補者を当選させるために活動すること
で、「功徳(ご利益)」が得られると信じて、婦人部を中心とする学会員の活動家たちは、
猛烈な選挙運動を行う。
創価学会では、投票日の一年ほど前から選挙準備が始まり、公明党の立候補予定者は、
挨拶回りのために座談会に足を運んだり、学会施設で講演したりしなければならない。
元公明党参院議員の福本潤一氏は、1日で数十か所もの座談会を回ったこともあったと
述べている(『創価学会・公明党「金と品位」』による)。
また、各地域の幹部も、地元の学会員を「選挙運動でどの程度使えるか」を基準として、
ランク付けするなどの準備を行う。
> 学会選挙は極めて精緻なシステムとして確立されている。
> まず、選挙がある一年以上前に、県内の各本部で運営会議を開き、強化するポイン
> トやテコ入れ場所の分析を行い、それを幹部が自分の受け持ちの地域に持ち帰る。
> このとき、学会組織におけるタテ軸の最小単位であるブロック(約十世帯)ごとに、
> そのリーダーであるブロック長(男性)とブロック担(女性)が、自分の指導してい
> るブロック内の学会員をA、B、C、マル外の四段階に分けた名簿(ブロック台帳)
> を作る。
> ここで、Aは「F票を取る活動家」、Bは「とにかく自分だけは一票は入れる人」、
> Cは「投票所にも行かない不良信者」、マル外は「学会員ではないが、自分以外にも
> 票を取ってくれるシンパ」である。
> このブロック台帳が選挙が終わるまでの、あらゆる活動の基準になる。これを各レ
> ベルの組織(ブロック、地区、支部)の責任者が絶えずチェックするわけだが、学会
> の選挙活動の根幹は、この「B」や「C」の人たちを、いかに「A」ランクの活動家
> に仕立てあげ、F票を積み上げていくかなのである。そして、この末端の情勢分析、
> 票固めの進展具合といった情報が、アッという間に県へ、さらには「信濃町中央」に
> 吸い上がるシステムになっているわけだ。
(古川利明著『システムとしての創価学会=公明党』)
一般の学会員が本格的に選挙体制にシフトするのは、投票日の3カ月ほど前からである。
選挙に向けた決起集会の意味で活動者会が開かれ、そこで幹部から目標が示され、集票
活動の事前準備として、「人脈台帳」を作るようにとの指示が出される。
(出典:創価学会問題研究会編『創価学会婦人部』)
人脈台帳や中学・高校の卒業生名簿等に基づき、電話などで投票依頼を行うのが、「F
取り」である。
Fとはフレンドの略であり、投票依頼を行った相手は、返答の如何を問わずF票にカウ
ントされる。そのため、国政選挙では学会本部に報告されるF票の合計が、日本の総人口
を超えることもあるという。
当然のことながら、F票の集計数は実際の公明党の得票とは乖離しており、票読みには
使えないが、活動家たちの士気を高める上では意味があるのだろう。
確実な投票が見込める人を、「マルF」という。実際の票読みには使うのは、当然「マ
ルF」である(創価学会の票読みの正確さには定評がある)。
創価学会は、近年では期日前投票を重視しており、公明党への投票を約束した人を投票
所に連れ出すことも行っている。
> 期日前投票へ非活やFを連れ出す行為は「Z]と呼ばれる。中には「足が悪い高齢
> の有権者を背負って期日前投票まで連れ出したこともある」という豪傑もいた。
> 総務省によると、「投票所に連れていく行為自体が直ちに法に触れるわけではない」
> (選挙課)。だがもちろん、その道中で投票先に介入したりする行為はご法度だ。
(『週刊ダイヤモンド』2018年10月13日号)
創価学会には悪質な選挙違反を行ってきた実態があり、「ご法度」に当たることが本当
にないといえるのか、懸念せざるを得ない。
創価学会員による選挙違反と言えば、戸別訪問が代表的である。こうした問題点につい
ては、次回、取り上げたい。
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