7日は道府県知事、道府県議会議員、政令市の議員等、21日には政令市以外の市長およ
び議員、東京特別区、町村の議員等が選出され、あわせて衆議院の補欠選挙も行われた。
周知のとおり、前半戦では京都市と大阪市の議会選挙で、公明党の候補者がわずか数票
の差で落選し、「常勝関西」にミソをつけることとなった。
しかしながら、後半戦では公明党の全立候補者が当選した。
今年は参議院選挙も実施されることから、学会員の負担を軽減するために、統一地方選
挙では公明党の立候補者を減らす対応を取ったそうだが、それが奏功したのであろう。
前半戦での思わぬ苦戦に衝撃を受けた各地の学会員たちが奮起したことと、投票率が低
迷したことも、後半戦の「完勝」に影響したと考えられる。
統一地方選における主要な地方議員選挙結果
(典拠:今回についてはNHK選挙データベース、読売新聞〔平成31年4月23日付〕
前回については総務省「地方選挙結果調」)
個別の選挙結果については、すべてを論じることは不可能なので、公明党候補が僅差で
落選した大阪市議会選挙・東成区選挙区と、辛くも全員当選した世田谷区と江戸川区の区議会選挙に焦点を絞る。
大阪市議会選挙・東成区選挙区には3議席が割り当てられており、それを今回は4人、前
回は5人の立候補者が争った。東成区の投票率は、53.36%だった(前回は51.76%)。
大阪市議会選挙・東成区選挙区の選挙結果
(出典:大阪市選挙管理委員会 公表資料)
今回、落選した公明党の則清ナヲミ氏は、前回は最下位での当選だった。今回、最下位
で当選した維新の会の海老沢由紀氏と則清氏との得票差は、わずか4票である。東成区の投票率は前回よりも1.6%上がっているが、これにより票が上積みされたことが
海老沢氏の当選につながったと見てよいだろう。
先に述べたとおり、統一地方選後半戦では公明党の候補者はすべて当選したが、その中
には薄氷を踏むような勝利もあった。
東京都の世田谷区議会選挙(議席数:50)では、公明党の津上ひとし氏が最下位の当選
だった。惜しくも次点だった、すがややすこ氏との得票差は31票だった。
公明党は、前回の選挙では世田谷区議会選挙に10人を擁立し、全員を当選させたが、今
回は1人減らした9人が立候補した(投票率は43.02%、前回の42.84%より微増している)。
前回と同じ人数を擁立していたならば、落選者が出ていた可能性は極めて高い。
また、江戸川区議会選挙(議席数:44)でも、候補者を前回の13人から1人減らしたが、
それでも公明党の中道たかし氏は、43位で辛くもの当選だった。次点で落選した共産党の
須田哲二氏との票差は92票である。
江戸川区議会選挙の投票率は42.40%で、前回の43.12%よりやや減少している。
もし、世田谷区や江戸川区の投票率が、あと少し高かったならば、公明党は前回から候
補者を減らしたにもかかわらず、全員の当選は実現できなかったということが十分にあり
得たのである。
創価学会・公明党は、現在の得票力と投票率の低迷とを織り込んだ綿密な選挙戦略を立
て、今回の統一地方選挙でも、前半戦で苦汁をなめたとはいえ、後半戦ではすべての候補
者を当選させた。退潮傾向にあるとはいえ、彼らの組織力は現在もなお侮れない。
反社会的カルトである創価学会と事実上、一体の存在である公明党が、地方議会に大勢
の議員を送り込んでいる現状が、社会にとって好ましいとは思えない。
そして、そのような事態を許してしまっているのは、有権者の無関心が原因である投票
率の低迷に他ならない。
一個人にできることなど高が知れていることは十分に承知しているが、それでも創価学
会の危険性を伝える活動を続けなければならないと、今回の選挙結果を見て、改めて決意
した次第である。