2017年3月5日日曜日

創価学会の金集め①

 創価学会は毎年、「財務」と称して学会員から寄付金を集めているが、この財務につい
て、創価学会はほとんど情報を公開していない。いくら集まり、何に使ったか、一切非公
表である。

 一口一万円からで上限はなく、多い者は一千万円以上も出すことや、毎年、数千億円に
も達すること、強制ではないと言いながら、事実上、半強制であること、不祥事が多いこ
となどは、以前2chで書いた。

 このえげつない金集めには、ほとんどの人が眉を顰めることであろう。だが、創価学会
が自称する「金のかからない宗教」が、おおむねその通りであった時期も、かつてはあっ
たのである。

 財務という制度は、昭和26年(1951年)、戸田城聖氏が第二代会長に就任した直後に導入
された。経済的に余裕がある者だけが財務部員となり、当初その割合は学会員のごく一部
に過ぎなかった。

 昭和40年代の財務は、一回千円ずつ年四回、合計で四千円という定額制だった。もっと
も、当時の四千円は、現在とはだいぶ価値が違うが。
 財務部員は次第に増え、昭和45年(1970年)の財務集金額は、約30億円だった。

 昭和53年(1978年)、財務は年一回、一口一万円からに変更、「財務部員」の名称も
「広布部員」に改められ、大半の世帯が財務をするようになった。これにより、毎年150
億円程度集まるようになった。

 それが、現在の創価学会は、かつてより大幅に多い、毎年数千億円の金を集めていると
いわれる。この金満教団は、一朝一夕にしてなったのではない。その過程を述べたい。

 創価学会の最初の大規模な金集めは、昭和40年(1965年)、日蓮正宗総本山大石寺の正本
堂を建立するためとの名目で行われた。これについて、元公明党委員長・矢野絢也氏は、
以下のように述べている。


>  この建設資金を募るため、一九六五(昭和四〇)年、学会ではすさまじい勢いで浄
> 財が集められた。「将来の広宣流布達成の象徴」と信仰的意義を煽られ、学会員たち
> は金額を競うようにして、ご供養作戦を展開した。生命保険を解約する者。家財道具
> から車まで売り払う者。借金して生活が破綻する者も相次いだ。そうしてたったの四
> 日間で、三五五億円もの献金が集められたのである。池田氏が目標として掲げていた
> のが「三〇億円」だったから、実に一〇倍以上という成果だった。
>  ラーメン一杯七〇円の時代である。今の金額に換算すれば三〇〇〇億円にはなるだ
> ろう。
 (『私が愛した池田大作』より引用)


 この正本堂建立資金については、元公明党国会議員・福本潤一氏も以下のように述べて
いる。

>  これは「最後のご供養」と言われていまして、「以降、一切おカネを払う必要はな
> い」と言われていました。この機会にめぐり逢えたのは今生の幸せと触れ回り、家を
> 売ったり、保険を解約したりして、寄付をした創価学会員もいました。
 (『創価学会公明党「金と品位」』より引用)


 この正本堂は昭和47年(1972年)に完成し、「千年はもつ」などと喧伝されたが、創価
学会が日蓮正宗から破門された後、平成11年(1999年)、日蓮正宗により取り壊されてい
る。また、この時集まった金は、実は355億円よりずっと多かったとの証言もある。


>  昭和四十年に、正本堂建立の御供養が三五五億円集まった。後にこれについて池田
> は、「発表以外に百億はやった、また稼ぐよ」と発言したことは有名である。
>  某有力銀行の調査として、昭和四十四年時の学会の銀行預金高が公表されている。
> それによると、三菱銀行=二二〇億円、三菱信託銀行=五〇億円、富士銀行=六〇億
> 円など総額五五三億円にのぼるという。当時、正本堂の募財以外に学会にはほとんど
> 金がなく(大客殿、学会本部の建設等に使った)この五五三億円のほとんどは正本堂
> 御供養金が銀行に預けられたと推定される。とすれば「公表以外の百億」だと、利息
> を含めて数字が符号する。つまり、三五五億円ではなく、四六〇億円くらい集められ
> た可能性が強い。その差額一〇〇億円はどこかに消えた。また、海外会員からの約八
> 億円の金も、正本堂関係に全く使われていない。現地の銀行から先はその行方も不明
> である。
 (山崎正友著『懺悔の告発』より引用)


 100億円もの使途不明金があるとは驚きであるが、創価学会が多額の金を集め、本来の目
的とは違う用途に流用するのは、これに限ったことではない。山崎氏は前掲書で上記に続
けて、以下のようにも述べている。


>  全国都道府県に「広宣流布の碑」を建てて名前を刻印する時もそうだった。県単位
> で、一〇億から二〇億の金を集めたが、たかだか五〇〇万円から一〇〇〇万円の石碑
> で会員をだまし、巻き上げた金はそのままプールされていく。

 上記の大石寺正本堂建立にかかる金集めで、当初の予定を大幅に上回る金額が集まった
ことがエポックメイキングとなり、創価学会の金権体質はそれ以降、加速していく。
 「最後のご供養」どころか、現在の創価学会では巨額の金集めが、毎年恒例になってし
まっている。

 「カネのかからない宗教」を標榜し、他の新興宗教を「カネ取り宗教」と批判していた、
当初の志はどこへ行ったのだろう。古参の学会員は疑問に思わないのであろうか。


※ 「創価学会の金集めについて」は書くべきことが多いので、数回に分けて書きます。
  なお、上記の山崎氏の著書からの引用にある「海外会員からの約八億円の金」につい
 ては、次回詳述します。