2018年6月10日日曜日

幹部の役得

 これまで当ブログで取り上げてきたように、創価学会については何人もの脱会した元幹
部が、金にまつわる問題や、池田大作のスキャンダルなどの内情を暴いてきたが、学会側
もそれらの告発に対して『聖教新聞』などで反論を行ってきた。その一例を以下に示す。

(『聖教新聞』平成19年〔2007年〕1月22日付)

 この記事は原田稔会長らが出席した座談会を収録したもので、山崎正友氏、原島嵩氏、
竹入義勝氏、竜年光氏、大橋敏雄氏、藤原行正氏らを「忘恩の退転者」と呼び、金・酒・
異性に狂って転落したと一方的に決めつけ、断罪している。一部引用する。


>  正木 退転し、清浄な学会にいられなくなった連中は、必ず「金」と「酒」と「異
> 性」で狂う。「転落の方程式」だ。
>  西口 まったくだ。坊主を誑しこんで金儲けを狙った山崎。その山崎に、まんまと
> 金漬け、酒漬けにされて、ますます狂った原島。
>  竹内 それにまた忘恩の悪党議員ども! 竹入、竜、藤原、大橋等々。全部が全部、
> 金、酒、女で破滅じゃないか。
>  原田 学会は清浄無比の団体だ。戸田先生が「戸田の命よりも大事な学会の組織」
> とまでおっしゃった、仏意仏勅の広宣流布の団体だ。
>  正木 その尊い、偉大な学会の組織を利用して遊ぶ! 儲ける!
>  異性問題を起こす!
>  言語道断中の道断だ。そんなやつは見つけ次第、手厳しく断罪する。断固、追放す
> る!


 「学会の組織を利用して儲けるやつは、断固、追放する!」と息巻いておられるのは、
先年、理事長職を解かれ、参議会副議長に降格された正木正明氏である。

 降格の本当の理由は何だったのかも気になるところだが、それよりも「広宣流布のため」
といって集めた財務により、莫大な資産を築いたと噂される某センセイは追放しなくてよ
いのだろうか。いろいろとツッコミどころの多い座談会である。

 さて、原田会長らは池田センセイが乱脈の限りを尽くしてきた創価学会を、「清浄無比
の団体」だと主張しておられるが、この言葉は何らかの実質を伴うものなのであろうか。

 前回に引き続き『聖教新聞』記者による内部告発、『小説 聖教新聞』から学会幹部の行
状を描いた一節を引用する。

 ※ 前回も述べたとおり『小説 聖教新聞』の内容は実話がもとになっており、池田大作
  が「沼田太作」として描かれるように、実在の幹部たちが本名とそう違わない仮名で
  描かれている。


>  原本実は、沼田のおぼえがよく、そのため若くして出世したエリート中のエリート
> なのだが、虚栄心が強く、沼田と同じように下の者にいばりちらす。そのため職員に
> も一般会員にも人気がなかった。
>  こんな男だから、原本には職権や地位を利用しての女性関係も少なくなかった。
>  七、八年前に北海道担当の責任者だったときの話だが、原本は、東京の港区に住む
> 元宝石商と手を組んで、学会関係の利権をあさり、大いにうまい汁を吸っていた。そ
> して、その宝石商から利権の見返りとして女性を世話され、札幌のすすきのに囲った。
> また、函館でも、学会員の女性と深い仲になり、その女性との間で子どもを「堕ろせ」
> 「生む」の大騒ぎになったことがあった。
 (中略)
>  「結局、あの連中はみんな、みごとにPのコピーなんだ。小型の沼田太作……いや、
> 小作ってわけさ。考えてみれば、Pの側近はみんなそうだよ。いまや沼田、夏目に次
> ぐナンバー3にのしあがった広報担当副会長の川崎久美、北海道担当の丸山一郎副会
> 長、野川勇総合青年部長、関西の西目昭蔵副会長、日蓮正宗国際センターの市村直平
> 国際局長……。われわれ職員の間で、とかく後ろ指をさされながら、Pの側近として
> 大手をふっている連中は、そろいもそろってP好みの〝沼田コピー〟だもんな」

 ※ 「P」とはプレジデントの略で、池田大作のことである。


 創価学会の幹部におさまっているお歴々は、池田大作を矮小化したコピーのような連中
ばかりであるらしい。

 引用中の「原本実」が誰のことを指すかは推して知るべしだが、原田会長が池田名誉会
長との「師弟不二」の忠実な実践者であったのは事実なのであろう。

 「広宣流布のため」と称して貧しい者が少なくない末端信者から集めた金で、自分専用
の豪華施設をつくらせ、数多くの女性と関係を持つなどの乱脈を重ねていた池田大作の行
状を間近で見聞きし、しかも、その彼を師と仰いできた連中が、同じように教団組織を私
物化し、私腹を肥やしたり女性問題を起こしたりしたのは、当然の成り行きと言えよう。

 以前述べたように、創価学会の成り立ちには戸田城聖が経営していた高利貸し・大蔵商
事が大きく関係している(「戸田城聖のビジネス(戦後編‐③)」参照)。

 池田大作が第三代会長に就任できたのも、大蔵商事で営業部長として辣腕を振るい、創
価学会の金の流れを掌握していたからだと言われる。

 創価学会幹部に金にまつわる醜聞が多いのは、彼らの行動原理が信仰者のものというよ
り、高利貸しのものに近いからではないか。


>  例えば、金融業にとっては、未回収金の取り立てが生命線であるが、その際にカネ
> の取り分というのは、取り立てた人間がその一部を、その割合が7対3か、6対4か、
> 5対5か、比率はそのときどきによってまちまちであろうが、回収したカネの一部を
> フトコロに入れるというのは、よくある話である。
>  つまり、現場の人間は、取り立てたカネすべてを会社に入れるわけではない。一部
> をマージンとしてこっそりピンハネできるわけである。それゆえ、多くの金額を回収
> し、営業実績のある社員に対しては、こうしたピンハネを大目に見る。このピンハネ
> のシステムをそのまま学会内部でのカネの流れにも応用したのが、池田だった。
 (古川利明著『システムとしての創価学会=公明党』より引用)


 『小説 聖教新聞』にも、金にまつわる不始末を雑誌記者にかぎつけられた幹部に対して、
池田大作が激怒したという話が出ているが、池田の怒りは不祥事を起こしたことではなく、
雑誌記者にそれをつかまれたことに対して向けられたのだという。

 池田は側近幹部たちが、地位を利用してピンハネをするのを大目に見ていたのである。
もっとも、池田の表に出せない悪事の共犯者である彼らに対しては、裏切られないように
相応の見返りを与える必要があったのであろうが。

 創価学会は、信仰を利用して金儲けをする組織として戸田城聖がつくり、池田大作がそ
れをさらに阿漕なものとし、集金ビジネスを拡大してきた。

 そのような汚濁に塗れた体質に骨の髄まで染まり、しかもそれを恬然として、「清浄無
比」と言ってのけられる人々が、幹部として創価学会を動かしているのである。

 池田大作と比べれば小物ぞろいには見えるが、それでも彼らの厚顔無恥さ腹黒さは、冒
頭で引用した『聖教新聞』を読めば明らかなように、相当なものである。

 池田大作がいなくなれば、創価学会の悪しき体質も少しはマシになるのではないか、な
どと楽観するわけにはいかない。

 学会幹部の良心・良識にはまったく期待できない以上、創価学会という巨大なカルトが、
国政をも左右する力を持っているという現状を変えるためには、一人でも多くの学会員に
目を覚ましてもらうよりほかに道はない。

 本稿をお読みなった学会員がいらっしゃるのであれば、財務、特別財務、広布基金の他
にも、マイ聖教、民音のチケット、『新・人間革命』などの池田本購入など、何かにつけ
て金がかかる創価学会が、本当に「清浄無比」と言えるかどうか、是非ご自分の頭で考え
ていただきたいと思う。