2017年10月22日日曜日

「700年ぶりだねぇ」の真偽

 これまで述べてきたように、創価学会内部に「池田本仏論」を定着させるために、池田
大作は〝創価学会の会長は本仏と同等の存在〟という考え方を、『人間革命』等の書籍や
口コミを通じて、学会内部に定着させてきた。

 口コミで広められた逸話の中には、「ある寺院に秘蔵され、信者にも公開されてこなか
った日蓮大聖人の御影像が、池田先生とそっくりだった」などというものもあったらしい
が、特に有名なのは、日蓮が幼少から成人するまでの期間に修行した寺として知られる、
千葉県の清澄寺に池田が訪れた際の言動であろう。

 この伝説的な逸話は、2ch等でもコピペとして広まり、清澄寺の千年杉の前で池田大作
が、「久しぶりだね。700年ぶりだねぇ」と述べたとされているが、実際にその通りのこ
とを言ったかまでは分からない。

 この話の出所は、平成2年(1990年)に刊行された『崩壊する池田創価学会』(継命新
聞編著)だと思われるので、当該部分を以下に引用する。


>  昭和四十九年二月十六日のことである。この日、日蓮大聖人生誕の地、千葉・小湊
> に蓮生寺が建立された。午前中、池田は初めて付近にある遺跡をめぐり、大聖人が法
> 難で受けた傷を洗ったとの言伝えのある井戸までくると、側近のまえで、「たしか、
> あの時もこのメンバーだったなあ」とのたまわった。そして十二時ちょうど、立宗宣
> 言の午の刻と同じ時刻に、清澄寺に登るのである。境内にある千年杉という老木のま
> えまでくると、やおら、「なつかしいなあ!」と声をあげた。側近達はびっくり、
> 「これはすごい。やはり池田先生は日蓮大聖人の生れ変りに違いない」と吹聴して歩
> いた。


 この逸話は、創価学会における池田大作への個人崇拝のバカバカしさを物語る代表的な
ものである。だからであろうか、ネット上には、この逸話を確たる根拠のないものとして
否定する、学会員によるものと思われる言説が見られる。

 だが、元公明党委員長・矢野絢也氏は、著書『私が愛した池田大作』に先に挙げた『崩
壊する池田創価学会』の一節を引用した上で、「これは私自身が実際に見たわけではない
が、その直後に聞いた話だ。当時、学会や公明党内部では『やっぱりそうか』『すごーい』
といった調子で語られていた」と証言している。

 池田大作が、清澄寺の千年杉の前で「700年ぶりだねぇ」と言ったとは断定できないが、
それに類する発言をしたのは事実なのであろう。

 そして、多くの学会員がそれを真に受けて、池田大作への個人崇拝を強めたのである。
 つくづく、頭のおかしい連中だと思う。


補足 千年杉の樹齢について

 清澄寺の千年杉については、その樹齢が「250年」だとか、「400年」だとか、取り沙汰
されているが、当の清澄寺のウェブサイトには「およそ800年」と記載されている。

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