2017年3月18日土曜日

財務をすれば万札が降ってくる?

 創価学会では、広布部員会という、財務に向けた決起集会が開かれるが、そこでは財務
をすれば現世利益を得られる、と幹部が説き、末端学会員を煽り立てていた。その模様に
ついての記述を、元学会員とジャーナリスト、それぞれの著書から引用する。


>  そんななかでも、いちばんヘンだと思ったのは、一年に一回はめぐってくる「献金
> の日」だった。
>  その日に向けて、あの手この手で集金に励むのだが、そのときに士気を高めるため
> に集会でみんなが読む手記があった。その手記の内容というのは、だいたい似たりよ
> ったりで、こんなものだった。
> 「私は年金暮らしの一人暮らしの老婆です。寄付をする余裕はまったくなかったので
> すが、一年に一回のことだから、なんとか頑張りなさいと幹部に励まされて、わずか
> ですが、献金することができました。すると、どうでしょう、それからというもの、
> いいことばかり続くのです。病気も治りました。いまはとても幸せです」
>  朗読が終わると同時に、拍手と歓声があがる。
> 「すごいですね。みなさんも、負けないで頑張ってください」
>  と、その場は熱気に包まれる。
>  しかし、わたしは思っていた。うそでしょ、こんな不幸なことってないんじゃない。
> 年金暮らしをしている人や、生活保護を受けている、食うや食わずの人から献金を受
> け取るなんて、これって、ものすごい不幸なことじゃないか。なけなしのお金を募金
> させられた人が、どうして幸せだっていうの……。これって、まるで借金取りのする
> ことじゃないの……。
 (杉田かおる著『杉田』より引用)


 ※ 『杉田』は、著者が学会員として、創価学会で経験した出来事や、それらの経験の
  感想についての記述が、全体の約半分ほどを占めるが、明確に「創価学会」と書いて
  あるわけではない。
   上記のように、財務は「献金」、創価学会は「教団」、池田大作は「最高指導者」
  などと、ぼかして記述している。
   だが「教団」は、日蓮正宗の信徒団体だったが破門されたこと、選挙に力を入れて
  おり、議員を当選させるために著者を含めた会員が、懸命に活動したことなどが記さ
  れている。そのような「教団」に該当する団体は、言うまでもなく、創価学会しかあ
  りえない。


 貧しい会員に、無理してでも財務をするようにしむけ、なけなしの金を搾り取ろうとす
る、学会のやり口を、「まるで借金取りのすることじゃないの」という杉田氏の意見には、
誰しもがうなずくことだろう。

 付け加えるならば、学会員たちは、別に学会から借金をしたわけではないので、タチの
悪い闇金より、なお一層悪質だと言った方が、より正確だろう。

 そもそも、このような人の道に反する金集めは、池田大作の発案によるものである。池
田は若い頃、学会の第二代会長・戸田城聖が設立した高利貸し、大蔵商事の社員として、
辣腕をふるっていた。

 池田の借金取り立ては、「病人が寝ている布団をはぐ」ような厳しいものだっという。
こうした高利貸しの金集めのノウハウを、教団運営にも適用した結果が、現在の創価学会
の姿なのだ。

 
> 「財務をすれば必ず天から万札が降ってきます」
>  と、B支部長は断言した。創価学会の、東京都南西部にある文化会館での集まりの
> ときだった。約三十年間の学会歴をもつM・T(六十代女性)は、そっと隣の者たち
> の顔をみた。みんながしきりにうなずいている。間抜けめ!
>  M・Tは心のなかでいった。
> 「空から万札が降ってくるわけがないじゃないか。大聖人様は日銀じゃないよ」
>  彼女の頭に浮かんだのは、友達のA子の姿だった。七十代の一人暮らし。区から四
> か月に一回、十万八千円をもらい、一食・約三百円でほそぼそと生活していた。そん
> な彼女のところにも、B支部長がやってきた。
> 「一口=一万円です。何口でもいいんですよ、多いほどすばらしい。お金のない人ほ
> ど、貧乏を断ち切るために全部出さなくっては。身ぐるみはいでね」
> 「……葬式代もありません」
> と、A子はこぼした。すると、B支部長はアッケラカンとこう答えた。
> 「心配しなくていいのよ、死んでしまえば何もないんだからさ。貯金、少しはあんで
> しょ。財務は信心の証よ」
>  A子には貯金がまったくなかった。そこで、やむなく、十一日間の食費のすべて、
> 一万円を創価学会の指定銀行口座に振り込んだ。娘に米とミソをもらってしのいでい
> こうと思いつつ。間抜けめ、間抜けめ、間抜けめ……と、M・Tは心の中で叫んだ。
> あのパーマ屋のC子さんだってそうだよ。近くの信用金庫から五十万円も借りて財務
> をした。一生懸命働いているのに、いつもピーピーしているんだ、C子さんは。いっ
> たい、この金は、だれがどこでどう使っているのさ。
 (野田峯雄著『増補新版 池田大作 金脈の研究』より引用)


 創価学会に金を貢いだところで、「天から万札が降ってくる」などという、バカげたこ
となど起きるわけがないことは言うまでもない。

 蛇足だが、上記引用のB支部長は、ヘリコプターマネーと呼ばれる金融政策を知ってい
て、比喩的に言ったのではないか、という好意的な解釈もできるかもしれない。

 例えば、公明党の支持基盤である創価学会の財務基盤が強固になれば、それが公明党の
党勢拡大にも寄与し、党の政府への発現力が増せば、金融政策・財政政策にも影響力を行
使でき、ヘリコプターマネー的な政策を実現して、結果として貧しい学会員もいくらかは
潤うという、〝風が吹けば桶屋が儲かる〟的な論法を、端的に述べたとのでないか、とい
う穿った見方も、かなり無理があるができなくもない。

 が、実際の創価学会の地方幹部には、金融政策について理解している者など、まずいな
いだろう。ヘリコプターマネーの提唱者である、ミルトン・フリードマンの名前を知る者
が、どれだけいるだろうか。

 だいたい、学会員の憧れの大学、創価大学の経済学部の偏差値は45程度である。学会の
地方幹部に、経済についてまともな知識のある者など、ほとんどいないはずである。

 つまりB支部長は、純粋に現世利益への欲を煽り、学会員に財務をさせるために、「万
札が降ってくる」などという、たわけたことを言ったわけである。

 もし本当に財務をして、「万札が降ってくる」ほどの経済的な御利益があったり、病気
が治ったりするのであれば、喜んで創価学会に入る人間は大勢いるだろうが、当然のこと
ながら現実はそんなに甘くない。

 「『ガンが治る』と言われて、創価学会に多額の財務をしたのに治らなかった」といっ
た恨み事を、ネット上で見たことがある方も多いだろうが、創価のようなインチキ宗教に
金をいくら貢いだところで、現世利益などあるわけがない。

 財務で潤っているのは、池田大作をはじめとする学会幹部、言うなれば宗教貴族とも言
うべき特権階級であり、彼らは貧しい学会員が、功徳になると信じて苦労して納めた金か
ら高額報酬を受けとり、自分の贅沢な暮らしの原資にしているのである。

 貧しく教育がない人たちに、あるはずもない御利益(学会員は「福運」と言うが)への
欲望を植えつけて搾取する創価学会のやり方は、悪辣そのものである。このような邪悪な
カルトは、一日も早く消滅した方が、世のため人のためであろう。