2017年4月12日水曜日

創価用語の基礎知識①

 『人間革命』は学会員にとっては、創価学会の教えが説かれた聖典といってもいい本で
あるが、創価学会について知りたい外部の人間にとっても示唆に富む書物である。

 例えば、第七巻に記されている戸田城聖の以下の指導は、創価学会がどんな宗教かを、
端的に物語っている。

> (前略)御本尊は幸福になる機械です。その使用法は朝五座、夜三座の勤行と、年に
> 十名の折伏という実践です。
>  金をつくり、健康をつくり、人生を心ゆくまで楽しんで死のうではありませんか


 これを読むとわかるように、勤行と折伏という、わかりやすい実践をやりさえすれば、
「金と健康」が手に入るという、即物的なご利益信仰が、創価学会の中心的な教義なのだ。
 どうも品性に欠けるし、頭が悪そうと思うのは私だけだろうか。

 それはさておき、この記述どおりだったのは以前のことで――『人間革命』第七巻の初
版は昭和47年――今の創価学会では、財務をはじめとする教団への献金も、折伏・勤行な
どと同様に重視されている。

 さて、上記の引用についてであるが、短い文章の中にも「折伏」など、いくつかの宗教
用語が含まれている。

 金集めや選挙運動が目立つ創価学会であるが、彼らは一応、宗教でもあるので、一般社
会ではあまり使われない、特殊な用語も少なからず使われる。

 中には、学会員が使う耳慣れない言葉に意味がわからず、戸惑った経験がある方もおら
れるのではないだろうか。

 そこで、創価学会で使われる、いわば「創価用語」とでもいうべき言葉のうち、代表的
なもの、いくつかについて解説を試みたい。

 そうした言葉の意味を知ることは、彼らの反社会性や異常さについて理解する上でも、
有用ではないかと愚考する次第である。



ざだんかい【座談会】
 創価学会では、各地区ごとに開かれる集会をいう。座談会では〝信心をしたらこんな功
徳があった〟などの体験談の発表や、日蓮遺文の勉強会などが行われる。


しゃくぶく【折伏】
 創価学会が行う強引な入信勧誘。かつては社会問題になり、マスコミでも報道された。
現在でも、一方的に議論を仕かけて、「負けたら創価学会に入れ」などと、強引な折伏を
する学会員も少なくない。大学新入生や新社会人は要注意。


しゃくざ【折座】
 折伏座談会の略。一人の未入信者を、数人から十数人の学会員で取り囲み、入信を迫る
という恐怖の集会。異性で釣ったり、趣味のサークル活動を騙ったりして、標的をおびき
出すことも多い。


ほんる【本流】
 本尊流布の略。折伏を受けて、学会に入信することになった人に、御本尊を購入させる
こと(一幅三千円)。この本流を決めた人が、折伏の功績があったことになるので、折座
の場合、誰の本流にするか揉めたり、上位の役職者が下の者の手柄を横取りすることも、
時にあるという。


くどく【功徳】
 現世や来世において幸福をもたらす善行を意味する仏教用語。転じて、功徳を積んだこ
とによりもたらされるご利益も意味する。学会では、後者の意味合いで使われることが多
いようである。ちなみに、功徳即利益という考え方は、天台大師にまでさかのぼるもので、
学会特有の用法という訳ではない。


げんしょう【現証】
 ご利益または罰が、現にあったという確証。これも仏教用語で、別に創価学会だけで使
われる言葉という訳ではないが、学会員が何かというと「ゲンショウ、ゲンショウ」と、
この言葉をむやみに濫用することから、かつて「ゲンノショウコ宗教」と揶揄されたこと
がある。


こうせんるふ【広宣流布】
 布教を意味する。出典は法華経。学会員は、この言葉を子供の名前に付けることがある。
「広宣(ひろのぶ)」など。「宣」の一字を名前の一部に使うことも少なくない。


ござさんざ【五座三座】
 日蓮正宗における勤行の決まり事で、法華経の方便品・寿量品を、朝に五回、夕に三回
読誦すること。創価学会も、かつては日蓮正宗の傘下だったので、この通りに読誦してい
たが、破門されてから、朝夕一回ずつでよいことになった。これは、池田大作が勤行嫌い
だからだと噂されている。


ごんぎょう【勤行】
 この言葉を知らない人はいないと思うが、お経を読むこと。


ごしょ【御書】
 日蓮遺文のこと。日蓮直筆の遺文も中山法華経寺などに保管され、少なからず現存して
いるが、日蓮の名を騙った偽書や、写本しか現存しないため真偽不明というものも多い。
 創価学会版『日蓮大聖人御書全集』にも、真偽不明のもの、または明らかな偽書も、多
数収録されているが、大半の学会員はあまり頓着していない。
 そもそも創価学会は、「御書根本」などと称してはいるものの、学力が乏しいために、
御書を読めない学会員も少なくない。


ごほんぞん【御本尊】
 創価学会の本尊は、日蓮が考案した十界曼荼羅がもとになっている。各家庭の仏壇に安
置されている御本尊は、表装なども含めてビニールシートに印刷した量産品で、そのチー
プさから、しばしば「カラーコピー」と揶揄される。
 実は日蓮本人が書いた十界曼荼羅も、120あまり現存しているが、創価学会の教義では、
それらの本尊は拝んではならないことになっている。
 創価学会は「日蓮大聖人直結」と称しているが、日蓮直筆の本尊を拝まず、量産品の安
っぽい本尊を拝むことが、なぜ日蓮に直結することになるのか、筋の通った説明ができる
学会員は少ない。



ほけきょう【法華経】
 正式名称は「妙法蓮華経」。天台僧であった日蓮は、天台宗の教義、五時八教の教判と
末法思想に基づき、この経典のみが、末法において唯一有効であると考えた。
 創価学会のせいで、反社会的な教えを説いた経典のように誤解している人もいるが、大
乗仏教における重要経典であり、天台宗、真言宗、曹洞宗、臨済宗、日蓮宗などの伝統宗
派で読誦されている。
 その教えも、仏像を礼拝供養する者は仏道を成じるとか(方便品)、修行すれば来世で
阿弥陀仏の浄土に生れることができるとか(薬王菩薩本事品)、観音菩薩を拝むとご利益
があるとか(観世音菩薩普門品)といった、日本の昔からの仏教徒の多くにとって、なじ
み深いものである。
 ちなみに創価学会は、上に挙げたような法華経の教えを、すべて否定している。彼らは
「法華経の教えは嘘八百だ」と念じながら、南無妙法蓮華経と唱えているのだろうか。カ
ルトの教義の意味不明ぶりにはあきれるしかない。
 なお日蓮は、『法華経題目抄』で、「往生極楽は法華を憑(たの)まば疑ひなし」と、
極楽往生したいなら、南無阿弥陀仏と唱えるより、南無妙法蓮華経と唱えた方がよいと主
張している。
 また『開目抄』では、「善に付け悪につけ法華経をすつるは地獄の業なるべし」とも述
べている。日蓮が正しいならば、法華経の教えをことごとく否定する創価学会員が、地獄
に堕ちるのは必定である。

 ※ 仏教の経典でいう「品」(「ほん」と読む)とは、一般の書籍の「章」に該当する。



補足
 上述の「往生極楽は法華を憑(たの)まば疑ひなし」の文言は、創価学会版『日蓮大聖
人御書全集』では、948ページに記載されている。
 また、『法華経題目抄』は、日蓮の真筆の断片が、京都の本圀寺、妙覚寺などに所蔵さ
れている。