2017年3月5日日曜日

創価学会の金集め②

※ 承前(①-補足

 大石寺正本堂建立の次の大規模な金集めは、昭和50年(1975年)から52年(1977年)にかけ
ての〝特別財務〟だった。これについて、山崎正友氏は『懺悔の告発』でこう述べている。


>  口火は、九州担当の副会長であった福島源次郎氏が切った。九州で「池田先生に帰
> 命しよう」と唱え、「特別財務で会館や研修道場を作り、御本仏・池田大作先生に御
> 供養しよう」と檄を飛ばし、信じられないほどの大金を集めた。これに味をしめた池
> 田大作は、全国に〝特別財務〟という名目で金集めを指示した。早速、昭和五十年か
> ら五十二年にかけて千三百億円を集め、全国に豪華な施設を作る計画が立てられた。
>  この〝特別財務〟によって全国に作られた施設に、池田大作の〝超豪華専用施設〟
> が設けられた。それは、池田大作の要求と、ゴマスリ競争に駆り立てられた地域幹部
> との相乗効果によって、止まるところを知らずエスカレートした。建設予算の半分以
> 上が、豪華専用施設のために費やされたが、その結果、桧風呂や大理石風呂、プール
> やトレーニングルーム付き、サービス係の女性部屋、絨毯張りのトイレ等々、信じら
> れないような施設が全国各地に出来上った。


 福島源次郎氏は「誠諫の書」(『蘇生への選択』所収)で、この九州での特別財務につ
いて、「私も、かつて学会初めての特別財務を、先生の指示で九州が行った際、慎重にと
心掛けたにも拘らず、行き過ぎの事例が生じ、当時の最高責任者として忸怩たるものがご
ざいます」と、池田氏の指示によるものだったと、明確に述べている。 

※ 「誠諫の書」は福島氏が池田氏を諫めるために書いた手紙で、文中の「先生」とは
 「池田先生」のことである。

 また、昭和50年から52年にかけての特別財務で実際に集まったのは、以下に述べる民社
党の横槍で中断したこともあり、670億円程度だったという。

 『懺悔の告発』によれば上記〝超豪華専用施設〟とは、「ラブホテルまがいの構造の、
悪趣味で金ばかりかかった」代物で、「池田大作は、これらの施設に、学会幹部の妻とな
っている女性や第一庶務の女性とともに泊まり歩いた」という。

 これが信者から「御本仏」と崇拝されている教祖の行状なのだから恐れ入る。
 だが、こんなものを〝宗教施設〟というのはさすがに無理があり、国会で問題にされか
けたという。

 昭和52年(1977年)、民社党が上記の実態を国会で取り上げると公明党に通告した。
 実態として宗教施設でないものが、非課税になっているのはおかしいというのが、その
趣旨である。

 しかしこれは、創価学会から選挙協力を引き出すためのブラフだったらしく、この年の
参院選以降、選挙協力を行うことで折り合い、同党は実際には国会での質問はしなかった。

 一方で、今後のことを考えて、こうした施設について偽装工作も行なわれた。
 以下、矢野絢也氏、山崎正友氏の著作から引用する。


>  結局、こうした施設に牧口初代会長や戸田第二代会長の遺品など、記念物を大慌て
> で運び込み、「池田氏専用施設ではない。これは記念館だ。資料室だ」という説明を
> 後から付けた。会館の部屋も「恩師記念室」「資料室」へと名前を変えた。要は国税
> 対策である。せっかく造った庭園はつぶされ、松などの植栽は掘り返され、立派な庭
> 石は捨てられた。プール付きの施設もあったが、学会系列の建設会社がトラックで土
> を運んで、埋めてしまった。
 (矢野絢也著『私が愛した池田大作』より引用)


 しかし、こうした偽装を目的とした「恩師記念室」はかなりいい加減なものだったよう
である。


>  急造の〝恩師記念室〟では、戸田城聖二代会長が獄中で使用したとされる、牛乳ビ
> ンのフタを糸で綴った念珠などが置かれ、参拝した会員を感動させる仕組になってい
> たが、ある会員が目を近づけて見ると、牛乳ビンのフタの日付けがなんと昭和五十二
> 年五月となっていたので不信を抱き、やがてこれがきっかけで退会してしまった。
 (山崎正友著『懺悔の告発』より引用)

※ 戸田第二代会長が獄中にいたのは戦時中のことで、戸田氏は昭和33年に死去している。


 その他にも宗教施設にふさわしくないものを取り壊したり、埋めたりと、かなりの金額
をかけて隠蔽工作・偽装工作を行なったという。

 しかし、これらの〝池田専用施設〟は、その後、さらに豪華になって復活しているとい
う。今度は最初から「恩師記念館」と偽装されているが、実態は池田氏専用であることに
変わりない。


>  軽井沢の研修道場など、全国にある池田氏専用施設も豪華さでは引けを取らない。
> 軽井沢の研修道場の奥には池田氏と限られた人しか入ることが許されていない池田氏
> の専用施設がある。柱や壁、障子、襖などすべてに最高級品を使用。風呂場には池田
> 氏のために檜づくりの大きな浴槽がしつらえてある。この池田氏の専用施設は、建て
> 前上は「恩師記念館」と呼ばれている。国税対策のカモフラージュのためだ。「御自
> 分の贅沢に恩師の名を僭称するとは、冒瀆ではないか」と、ある公明党議員は毒づい
> ていた。
 (矢野絢也著『乱脈経理』より引用)

 引用のように、実態を知って批判する人もいるようだが、末端の学会員のほとんどは、
このようなことは知らされておらず、財務についても「自分は納得して払っており、搾取
ではない」と言う者も少なくない。

 だが、「広宣流布のため」と集められた金が、上記のように使われていると知っても納
得できるのだろうか。

                                 (次回に続く)


参考

池田大作の乱脈な女性関係については、以前2chに書き込んだ。
興味のある方は、以下をお読みいただければと思う。

『月刊ペン』事件について(1)事件の概要

『月刊ペン』事件について(2)一審差し戻しを決定した最高裁判決

『月刊ペン』事件について(3)元創価学会教学部長・原島嵩氏の証言

『月刊ペン』事件について(4)内弁慶・池田大作

『月刊ペン』事件について(5)後日談

池田大作氏の放縦の犠牲者 

隠し子疑惑